小売世界大手米ウォルマートは6月10日、従業員向けの教育研修プログラム「Live Better U(LBU)」の大幅拡大を発表。従来の大学受講プログラムに加え、技能職やデジタルに関するスキル開発プログラムを開設した。
同社は2018年6月からLBUプログラムを開始。主な内容は、無料で高校を卒業できる修学制度や、大学単位が1日1米ドルで受講でき、必要単位を取得すれば大学卒業も可能な制度を展開している。勤務初日から活用でき、プログラム導入から2年間で全米の店舗スタッフ25,000人以上が受講。大半の受講者は、女性で、年齢は30代が中心、非白人系が47%を占める。パートタイムの店舗スタッフで同制度を活用できるようになった。ウォルマートによると、同プログラムは、店舗スタッフの離職者低減や昇進者増に寄与しているという。
今回は、需要が高まる技能職とデジタルスキルに焦点を当てたプログラムを拡充し、従業員のエンプロイアビリティを高める考え。米国では、技能職人材が定年退職や転職、さらには高校での技能職教育の減少により、技能職人材不足を抱えている。デロイトの調査によると、2028年には240万人の不足が見込まれているという。また別の調査では、大学学位でなくとも、短期プログラムの修了証取得者でも、エンプロイアビリティ、雇用率、所得、幸福度の点で高くなっているという。
技能職修了証プログラムでは、ペン・フォスター大学のオンライン授業を提供し、重連職業務に就くのに必要な基本的知識を座学で学べるようにする。用意する分野は、施設保守、工場保守、空調工、電気工、配管工、建設技能者。これらの技能者は、ウォルマートとしても人材不足を抱えており、修了証取得後は、同社もしくは取引先の事業者で、エントリーレベルでの実習研修の機会も与える。これにより、実務に就くために必要なエンプロイアビリティをさらに高める。
デジタル修了証プログラムでは、コーネル大学のオンライン学習プログラム「eCornell」及びサザン・ニューハンプシャー大学が提供する19の修了証プログラムを受けられるようにする。特に、ウォルマートの事業との関連性も高い「働き方」「データ活用と意思決定」「デザイン思考・UX/UI」「テクノロジー」の4分野にフォーカスする。
今回新たに用意した技能職及びデジタルの受講も、従来と同様1日1米ドルで受講できる。多くのコースは、1年以内に修了できるよう設計されている。
【参照ページ】Walmart Expands Education Program for Associates, Aligns Live Better U Program to Future of Work with Additions of Skilled Trades and Digital Programs
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