英製薬大手アストラゼネカは6月13日、英オックスフォード大学から生産ライセンス取得した新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、ドイツ、フランス、イタリア、オランダの4ヶ国政府が創設したワクチン獲得推進イニシアチブ「インクルーシブ・ワクチン連合(IVA)」に対し4億個を供給することで合意した。2020年内に配送する予定。同社は5月、米国に3億個は米国、英国に1億個は供給することで合意しており、他のEU諸国も獲得に乗り出していた。
【参考】【イギリス】アストラゼネカ、オックスフォード大開発中の新型コロナワクチンを9月に供給開始(2020年5月22日)
同社は5月、オックスフォード大学から初回4億個以上のライセンスを獲得し、さらに同社として10億個の生産能力を確保すると表明していた。また6月には、インド医薬品生産大手Serum Institute of India(SII)との間で、発展途上国向けにワクチン10億個を生産し、年内に4億個を発展途上国向けに提供することでも合意している。さらに今回の合意により、英国以外の欧州諸国に対しても、優先的に供給できる体制を整えていく。そのため、欧州を含む世界中のパートナー企業にサプライチェーン協力を依頼しており、生産体制の拡充を急ぐ。
同社は6月4日にも、ワクチン接種支援団体の感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とGAVIアライアンスとの間でも、7.5億米ドル(約800億円)の寄付を受ける代わりに、3億個のワクチンを提供することでも合意している。今回のIVAとの合意により、提供契約は11億個となった。
【参照ページ】AstraZeneca to supply Europe with up to 400 million doses of Oxford University’s vaccine at no profit
【参照ページ】AstraZeneca takes next steps towards broad and equitable access to Oxford University’s COVID-19 vaccine
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