英プリマス海洋研究所は7月30日、プリマス大学が主導のもと、バンゴール大学、ストラスクライド大学と共同調査を行い、沿岸都市の人工光が月光を妨害し、沿岸の海洋生物に重大な脅威をもたらす可能性があると発表した。人工光による海洋への影響可能性を定量化した研究は世界初。
海洋生物の中には、月光や星光の位置や光度から食物の場所を把握するように適応してきた種があり、これらの生物にとって人工光により月光や星光の感知が妨げられると捕食等が困難になる可能性がある。
同研究は、西欧最大の海軍港プリマスサウンドとタマール河口において、曇りと晴れの双方で実施。2018年の4晩に行われた実地調査と、マッピング、放射伝達モデルを組み合わせ、海面から海底までのエクスポージャーを分析。街灯からの光が海底に届く量を測定し、光害の影響は、波長により顕著な違いがあると指摘した。白色LEDの輝度は、緑、青、赤の波長の混合で作られ、緑色光と青色光は、測定した海底のうち70%から76%にまで到達したが、赤緑色光が届くのは、1%未満だった。
沿岸開発は加速し、2060年までに沿岸地域の人口は2倍になると予測され、海洋の生態系に対する夜間の光害エクスポージャーを高めるとして、人工光による光害影響を包括的に理解することが急務とした。
【参照ページ】The global expansion of coastal cities could leave more than three quarters of their neighbouring seafloor exposed to potentially harmful levels of light pollution.
【参照ページ】Biologically important artificial light at night on the seafloor
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