化学世界大手米ダウは11月12日、国際オリンピック委員会(IOC)と共に進めてきた「オリンピック・ムーブメント・カーボン・イニシアチブ」に関するインパクト・レポートを公表した。12カ国以上で実施した二酸化炭素排出量削減プロジェクト合計20件の内容をまとめた。
同イニシアチブは、同社とIOCが協働し、スポーツ分野での業界横断の二酸化炭素排出量削減プロジェクトを推進するというもの。2014年のソチ冬季オリンピックから両社のパートナーシップは始まっており、2021年に開催される東京オリンピックでもダウはIOCとパートナーシップを締結している。今回のレポートでは、同社が、IOC、2014年ソチオリンピック組織委員会、2016年リオオリンピック組織委員会と薦めたプロジェクトを紹介。合計で510万t以上の二酸化炭素排出量を削減した。排出量算出では、環境資源管理(ERM)が第三者保証を提供している。
【参考】【アメリカ】ダウ、自然環境価値の金額換算で目標値達成。IOCのカーボンオフセット協業も延長(2020年9月26日)
【参考】【国際】IOCとダウ、国際競技連盟と国内オリンピック委員会にカーボンオフセットを共同提供。CO2削減狙う(2019年8月29日)
同イニシアチブでは、ソチオリンピックでは、当初目標の5倍となる二酸化炭素排出量280万tの削減を達成。リオオリンピックでも二酸化炭素排出量を150万t削減できた。その他のIOCとの協働では、二酸化炭素排出量を85万tの削減したことで、カーボンニュートラルというIOC目標を上回り、カーボンネガティブを実現した。
また同レポートは、オリンピック開催での二酸化炭素排出量を削減するカーボンオフセットという当初の効果だけでなく、イノベーションやビジネスモデルの転換等の行動変容も促すインパクトも実現できたことを強調した。その結果、イニシアチブに参加した企業や、ダウの顧客企業にとっても企業競争力を高めるメリットが生まれたという。成功例としては、マレーシア化学ペトロナス・ケミカルズ・グループ、米国グリーンビルディング協議会、Firestone Building Products、Restore the Earth財団に言及した。
ダウは、企業としても、2050年までの二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を目標として設定済み。スポーツと組み合わせ実施した今回のプログラムは、バリューチェーン全体の二酸化炭素排出量削減の一環としても機能している。
【参照ページ】Beyond business as usual: Dow releases new Carbon Partnership Report; highlights strategy and significant achievements to reduce GHG emissions
【レポート】Dow’s 2020 Carbon Partnership Report
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