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【アメリカ】アップル、アフリカ系米国人の構造的不平等解消に向け100億円プログラム発表

 米アップルは1月13日、アフリカ系米国人が抱える構造的不平等に対処するため、2020年6月に立ち上げた「人種平等・正義イニシアチブ(REJI)」で1億米ドル(約105億円)規模の新プログラムを発表した。教育センターの設置やスタートアップ投資を通じて、人材投資や企業投資を通じ、アフリカ系米国人に格差是正の機会を提供していく。

 アップルのREJIは、2020年6月にジョージ・フロイド死亡事件で構造的不平等の問題が米国で大きな問題となったことを受け発足。今回、さらにプログラムを拡充させ、活動資金規模も増額した。

【参考】【アメリカ】大企業、ジョージ・フロイド死亡事件で声明発信相次ぐ。人種差別自覚やインクルージョン要請(2020年6月3日)

 今回のプログラムでは、まず、Southern Companyと協働し、HBCU(歴史的黒人大学)向けのイノベーション&ラーニング・ハブとして「プロペル・センター」を設立する。同様のアクションは世界初。アップルは2,500万米ドルを拠出し、バーチャルプラットフォームだけでなく、アトランタ大学にキャンパスを建設し、教員や学生のイノベーション研究を支援。さらに提携機関を通じて他のHBCUでも支援活動を展開する。アップルとしては、AI、機械学習、アグリテック、社会的正義、エンターテイメント芸術、アプリ開発、AR(拡張現実)、キャリア形成、デザイン・創造的芸術、アントレプレナーシップ等を重視している。アップルの実務家がカリキュラムを設計し、メンター制度、学習支援、インターン機会も提供する。

 また同社は別途、HBCU(歴史的黒人大学)との提携の一環として、工学分野への寄付金プログラム「イノベーション寄付金」と「教育向けフェロー・プログラム」の2つを新設した。「イノベーション寄付金」では、アップルの実務家とパートナーシップを締結し、シリコンやハードウェアの工学研究コースを開発する。「教育向けフェロー・プログラム」は、HBCUの教育のR&Dを支援しつつ、メンタープログラム、カリキュラム開発サポート、研究設備の資金援助等を行う。

 さらに同社のHBCU(歴史的黒人大学)向けの奨学金制度「Thurgood Marshall College Fund」を拡充し、社会的支援が必要な地区のアフリカ系米国人100人に新たに奨学金を給付。メンター制度やアップルでの実習機会も得られる。

 HBCU(歴史的黒人大学)以外では、米ミシガン州デトロイトに同社初の「アップル開発アカデミー」を創設する。デトロイト市には、アフリカ系米国人が経営する企業が5万社ほどあり、アフリカ系米国人にとっての起業の中心の一つ。同アカデミーでは、起業家、クリエイター、プログラマーを支援し、iOSアプリ開発のためのスキルを提供する。カリキュラムは、ミシガン州立大学と共同運営し、デトロイト市民であれば学歴・経歴不問でも誰でも応募できる。

 同アカデミーは、アプリ開発者に関心のある人には30日間の導入プログラムを提供。また本格的にアプリ開発者やアプリ起業を目指す人には10ヶ月から12ヶ月のフルコース「Entrepreneur Camp for Black Founders and Developers」を提供する。毎年約1,000人の受講者を集め、コーディング、デザイン、マーケティング、専門スキル等を幅広く教える。

 スタートアップ投資では、ニューヨークのハーレム・キャピタルのファンドに1,000万米ドルを投資する。ハーレム・キャピタルは、アフリカ系米国人のスタートアップ投資を行っており、今後20年間で約1,000社に投資することを目標としている。ハーレム・キャピタルは、「アップル開発アカデミー」や「Entrepreneur Camp for Black Founders and Developers」でも講師として協力する他、インターン機会も提供する。

 またアップルは、Siebert Williams ShankのClear Vision Impact Fundにも2,500万米ドルを投資。社会的支援が必要な地区のアフリカ系米国人が経営する中小企業に、インクルーシブな企業成長を促すためのファイナンスしていく。

【参照ページ】Apple launches major new Racial Equity and Justice Initiative projects to challenge systemic racism, advance racial equity nationwide
【画像】Apple

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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