国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は1月20日、アラブ地域のサステナブルファイナンスの動向を分析したレポートを発表した。現段階ではまだ黎明期だが、これから数年で大きく飛躍するとの見通しを示した。
同レポートは、アラブ地域内で相対的にサステナブルファイナンスが進展しているエジプト、ヨルダン、モロッコ、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアの6カ国を分析対象に設定した。アラブ地域でUNEP FIの加盟している銀行は8行あるが、地域のその他の機関からも幅広く情報を収集した。
アラブ地域では、国連持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために必要な資金ギャップは年間2,300億米ドル(約24兆円)。特に水の希少性、海面上昇、旱魃、土地劣化、砂漠化が深刻な食料安全保障、エネルギー安全保障、水安全保障を脅かしている。そのため、資金ギャップを埋めるためのサステナブルファイナンスの機会が顕在化しているという。
また気候ファイナンスに関する国家戦略に関しても、エジプト、ヨルダン、イラク、チュニジアの4ヶ国を分析。気候変動緩和と気候変動適応に関する分析結果を示している。
今回のレポート作成は、UNEP FIがアラブ連盟と国連開発計画(UNDP)と協働し進めている2つのプロジェクトのうちの一つ。もう一つは、「SDG Climate Facility Project: Climate Action for Human Security」。
今回、政府向けの提言として、「グリーンファイナンス・ガイドラインの強化や、サステナブルファイナンスでのジェンダー課題の認知向上とキャパシティビルディングに関する法規制強化」「サステナブルファイナンスのメリットの認知拡大」「融資可能なグリーンプロジェクトの組成」「構造的課題に対処するための政府準備レベルの引き上げ」を挙げた。
【参照ページ】NEW REPORT SHEDS LIGHT ON SUSTAINABLE FINANCING IN ARAB REGION AND PROVIDES POLICY RECOMMENDATIONS
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