欧州委員会は2月23日、「グリーン・気候ニュートラル・デジタル欧州」への転換を図るため、EU、加盟国、産業界での10の重点パートナーシップ分野を提示した。欧州産業界の競争力とレジリエンスを高める。総額100億ユーロ(約1.3兆円)の資金拠出をEUとして行うとともに、拠出の際にはパートナー機関からも同額の資金拠出を行い、レバレッジをきかせる。
EUは、「欧州パートナーシップ」という官民連携プログラムを運用しており、今回の発表は、新たな欧州パートナーシップのテーマ分野を決めたもの。提示された分野は、
- Global Health EDCTP3:サブサハラで流行している感染症を軽減や、世界全体での将来の新たな感染症対策のための研究ケーパビリティを強化するため、2030年までに30ヶ国以上100研究機関でのパンデミック対策の追加医療技術を支援。2つ以上の具体的なテクノロジー開発を実現
- イノベーティブは医療イニシアチブ:疾病の予防、診断、処置での科学知見を具体的なイノベーションに結びつけるため、欧州規模の研究・イノベーション・エコシステムを構築。EUが進める「Europe's Beating Cancer Plan」とも連携
- 主要なデジタル・テクノロジー:デジタル時代に備え、次世代マイクロプロセッサの開発による技術主権と競争力の向上
- サーキュラー・バイオ・ベース・ヨーロッパ:2050年カーボンニュートラル達成のためのバイオ素材でのサーキュラーエコノミー化
- クリーン水素:「水素同盟」と連携し、クリーン水素の生産、供給、貯留と、重工業やバス・トラック等の脱炭素化
- クリーン航空:航空機のカーボンニュートラルに向けた超低炭素航空機の開発
- 欧州の鉄道:鉄道のデジタル・自動化技術を加速させ、欧州グリーンディールの一環として鉄道の普及
- Single European Sky ATM Research 3:欧州航空産業のデジタル化と環境効率での競争力向上
- Smart Networks and Services:EUサイバーセキュリティ戦略と5Gツールボックス政策を実現するスマートなネットワークとサービスでの技術主権の支援。欧州企業の6Gシステム開発を支援。
- 計測学:政策の実効性を高めるための計測技術の開発
今回提示した10テーマのうち、計測学を除く9テーマについては、欧州連合の機能に関する条約(TFEU)187条に基づき、欧州議会と経済社会評議会と協議した後に、EU理事会で最終採択する。計測学については、TFEU185条に基づき、経済社会評議会と協議した後に、欧州議会とEU理事会で最終採択する。
【参照ページ】EU to set up new European Partnerships and invest nearly €10 billion for the green and digital transition
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