水戸地方裁判所は3月18日、茨城県東海村にある日本原子力発電の東海第二原子力発電所について、避難計画や実行体制が整備されていないと判断。再稼働を認めない判決を下した。再稼働に反対する住民224人が8年前に提訴していた。避難計画の不備での再稼働不許可の判決は今回が初。
今回の裁判では、原発周辺で想定される最大規模の将来の地震の揺れ「基準地震動」の設定や、避難計画の妥当性が争われた。基準値震動については、「原子力規制委員会が審査に適合するとした判断に見過ごせない誤りや欠落があるとまでは認められない」とし、原告の主張を退けた。
但し、避難計画については「原発から30キロ圏内に住む住民が避難できる避難計画と体制が整っていなければ、重大事故に対して安全を確保できる防護レベルが達成されているとはいえない」「策定された計画でも、地震などの自然災害による住宅や道路の被害も想定した、複数の避難経路を設定しておらず、実現可能な避難計画や実行できる体制が整えられていると言うには程遠い状態」と判断した。
特に、「避難計画の策定は14市町村のうち避難が必要な住民が比較的少ない5つの自治体にとどまっていて、人口の多い水戸市などは策定できていない」と現状認識を示した。
今回の判決に関し、被告の日本原子力発電は判決を不服とし、控訴する考え。
現在、防災計画や避難計画については、内閣府の原子力防災担当で、関係自治体と連携しながら重大な原発事故を想定した避難計画等を作成しているが、東海第二原発をめぐる計画は協議が続いていて、策定の目処が立っていないという。
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