食糧問題に関するマルチステークホルダー型の対話機関「持続可能な食料システムに関するB20-G20-FAOダイアログ」が6月17日、2021年のG20議長国イタリアの大統領とB20イタリア、ローマに本部を置く国連食糧農業機関(FAO)の共催で開催された。持続可能な食料・栄養システムに向けては、民間セクターが非常に重要な役割を負っていることを確認し、企業に対し構造的な事業転換を求めた。
今回の会合では、民間セクターは、全ての人々の健康的な食生活を確保するため、農業・食料システムを、レジリエンス、サステナビリティ、効率、インクルージョンの観点から強化していく重要な役割を担っていることで意見が一致した。
FAOの屈冬玉・事務局長は、開会の挨拶の場で、地元の食糧生産と伝統的で健康的な食事を保護していく必要性を強調。これにより、環境、文化、ウェルビーイングを尊重した農業・食料システムが実現できるとの考えを示した。
具体的には、野菜、果物、豆類、ハーブ、オリーブオイルを豊富に摂取している地中海地方の食事を例示。他にも、ローマ、エジプト、ギリシャ、中国、インドで3000年以上続く食文化から学ぶことを多いとの意見も披露した。
さらに今回のダイアログでは、食料と生物多様性の関係性にも言及。FAOからの積極的な技術的支援も呼びかけた。貿易と投資、省エネと省資源、デジタルトランスフォーメーション(DX)、持続可能性と世界的な緊急事態、健康とライフサイエンスにも議論は及んだ。
今回の対話の結果は、6月29日からイタリアのマテーラで開催されるG20外相会合に持ち込まれる。さらに、9月に開催される国連食料システムサミットの事前のプレサミットがローマで開催される予定になっており、そこでのアジェンダにもなる。
【参照ページ】Private sector has a crucial role to play in ensuring healthy diets for all
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