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【国際】国連ボン条約事務局、プラスチック汚染が移動性野生動物種に悪影響と発表。分析報告書

 国連移動性野生動物種の保全に関する条約(CMS、ボン条約)事務局は8月31日、水系でのプラスチック汚染が移動性野生動物種に与える影響を分析したレポートを発表した。CMSが保護対象に指定している淡水種、陸上動物、鳥類等が、河川の生態系や陸地でプラスチック汚染の影響を受けていることがわかった。特に渡り鳥が大きな影響を受けているという。

 今回の調査では、ガンジス川とメコン川の流域を対象としたケーススタディを実施。これらの流域では、毎年合計で20万tのプラスチック汚染が発生し、インド洋と太平洋に流れついていると推定されている。

 最も影響を受けている鳥類では、クロツラヘラサギやミサゴ等の渡り鳥は、釣り糸や船の残骸を巣作りの材料として活用してしまっており、ヒナにも影響を与えていることを確認。クロアシアホウドリやレイシアホウドリ等の渡り鳥は、空中から獲物とプラスチックを誤認し摂食していることもわかった。その結果、プラスチックの破片が腸内に蓄積されたりしている可能性がある。

 肺呼吸をする淡水の哺乳類は、プラスチック廃棄物に絡まって水面に出られなくなり、溺死するリスクを抱えている。野生で残っているのは推定3,500頭のガンジスカワイルカは、最近、ガンジス川で廃棄された漁具による絡みつきや、悪影響の危険性がある2番目に脆弱な種と評価された。メコン川でもイラワジイルカが同様のリスクを抱えている。双方のイルカの種は、IUCNレッドリストで絶滅危惧種に分類されている。

 さらにアジア太平洋地域でCMS保護種のジュゴンも、漁網に絡まって溺れてしまうことがわかっている。さらに、インドやタイではプラスチック摂食がジュゴンの死因にもなっている。

 2020年からCMS保護種となったアジアゾウは、スリランカでゴミを漁り、タイではプラスチックを摂取している様子が観察されている。

 CMS事務局は今回、生物、生態系、食物連鎖、人間の健康に対する長期的な影響がまだ明らかになっていないことを懸念。喫緊の研究課題と指摘した。

【参照ページ】New UN Report Finds Migratory Species Are Likely Among the Most Vulnerable to Plastic Pollution

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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