ドイツ連邦政府内閣は9月22日、堆肥や発酵のために回収・流通させる有機廃棄物で、プラスチックの含有量を0.5%以下に抑えることを義務化する政令改正案を採択した。生分解性プラスチックを謳うパッケージやコーヒーカプセルにも適用される。
今回の規制は、堆肥や発酵の工場でプラスチックが完全に分解されないことを考慮したもの。食品廃棄物は、一般的に、プラスチック包装・容器とともに廃棄されるため、プラスチックが含有されやすい。今回の改正政令では、事前にプラスチック異物を分別することで、有機廃棄物のリサイクルコストを下げる。有機廃棄物のみを分別回収している場合の含有率は最大1.0%まで許容される。
ドイツでは、有機廃棄物が年間で1,400万t発生しており、分別回収されたものは、堆肥化、発酵、ガス化されている。しかし、有機廃棄物の40%は、分別回収されず、一般廃棄物として処理され、リサイクルされていない。そのため、プラスチック異物を除去し、有機廃棄物のリサイクルを促す。これにより、バイオガスや肥料を生産し、化石燃料や泥炭等の消費を減らすことで、二酸化炭素排出量を削減する。特に小売企業や食品メーカーが大きな影響を受ける。
さらに今回の政令改正では、適用対象を拡大。従来は、同政令は、肥料へリサイクルする有機廃棄物のみが対象だったが、土壌改良材等で使用する場合にも適用することを決めた。
また今回同時に、商業廃棄物政令も改正。事業者は、包装されている有機廃棄物と、放送されていない有機廃棄物を分別回収することが義務化された。包装された有機廃棄物は、リサイクル前に包装を除去することも義務化された。
改正政令は、欧州委員会への通知後、ドイツ連邦理事会での承認を経て、2022年前半に官報に掲載される見通し。
【参照ページ】Bundesregierung minimiert Plastikanteil im Bioabfall
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