韓国化学大手SKC、食品大手Daesang(大象)、及びLGグループから5月に分離した商社大手LXインターナショナル(LXI)の3社は11月23日、木材パルプを活用したナノセルロースで強度を高めたポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)の生産で合弁企業を設立すると発表した。2023年までに年間7万t生産体制を目指す。PBATは生分解性プラスチックとして知られている。
新設する合弁企業は、SKCが技術出資790億ウォンを含む総額1,040億ウォンを、Daesangが400億ウォンを、LXインターナショナルが360億ウォンを出資。SKCはすでに2020年に韓国化学技術研究院から高強度PBATの技術を取得済み。商業化するとPBAT生産で世界第2位となる。
生産では、Daesangが、PBATの主要原料のブタンジオールをバイオマス由来の原料で提供。LXインターナショナルは、製品を海外販売で協力する。
従来のPBATは、地中で短期間で100%分解されるものの、引裂性が高く、用途が限られていた。そこで今回3社は、ナノセルロースで高強度にしたPBATを生産する。ストロー、レジ袋、農業用マルチフィルム、使い捨てプラスチックの代替素材としてすでに引き合いがきているという。SKCはすでに20社以上の顧客と商品利用で協議していることも明らかにした。
SKCは7月、石灰石由来素材で知られるTBMとの資本提携も発表しており、今回、PBATとTBMの「LIMEX」との混合素材を提供してくことも表明した。TBMとの間では9月に合弁会社を設立しており、2023年からの量産開始を目指している。
【参考】【韓国】SK、TBMとLoop Industriesの各株式10%取得。代替素材・リサイクル分野大幅強化(2021年7月5日)
【参照ページ】SKC to establish a joint venture for eco-friendly biodegradable new materials with Daesang and LX International
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