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【アメリカ】バイデン大統領、バッテリー資源確保・回収の国内産業化を国防長官に指示。安全保障問題

 米ジョー・バイデン大統領は3月31日、国防長官に対し、1950年国防生産法第303条に基づく大統領決定に署名。国家安全保障のため、バッテリー材料の米国内での採掘・加工、リサイクル・再利用、鉱山廃棄物からの資源回収を通じて、材料の国内調達を確保することを命じた。

 今回の措置は、今後、カーボンニュートラル化の中で、電気自動車や定置用蓄電池、系統用蓄電池等の普及により、大容量バッテリーの需要が急増すると判断。一方、米国は、リチウム、ニッケル、コバルト、黒鉛、マンガン等を海外からの輸入に依存しており、安全保障上のリスクになるとみなした。

 そのため、国防長官に対し、採掘、選鉱、付加価値加工プロジェクトのフィージビリティ調査を支援することを命令。当該戦略物資および重要物質の環境サステナブルで責任ある国内生産能力を創出、維持、保護、拡大、回復することを指示。同時に、既存の採掘で発生する副産物や鉱山廃棄物等からの資源再生、生産性、環境サステナビリティ、労働安全性を高めるための採掘、選鉱、付加価値加工の近代化も指示した。内務長官、農務長官、エネルギー長官と適宜供することも指示した。

 同様のバッテリーのサーキュラーエコノミー化を進める政策は、EUや中国でも発動済み。日本では経済産業省は3月28日の協議会の中で、ようやく必要性を認識し始めた形でまだ政策策定には至っていない。

【参考】【日本】経産省、全固体電池集中のバッテリー戦略を失敗と判断。日本企業は市場撤退のおそれ(2022年3月30日)

 バイデン大統領は3月25日には、太陽光発電セルの国内産業競争力を引き上げるため、以前から導入していた米通商法に基づくセーフガード措置の延長を決定。関税率割当(TRQ)を超える輸入に対し、関税を引き続き引き上げる。一方、一般特恵制度に基づく特定の指定受益国からの輸入は、セーフガード措置の適用から免除する措置も盛り込んでおり、米通商代表部(USTR)が指定受益国の再整理も進めている。

【参照ページ】Memorandum on Presidential Determination Pursuant to Section 303 of the Defense Production Act of 1950, as amended
【参照ページ】A Proclamation to Continue Facilitating Positive Adjustment to Competition From Imports of Certain Crystalline Silicon Photovoltaic Cells (Whether or Not Partially or Fully Assembled Into Other Products)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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