スイス医薬品大手ロシュは5月12日、中低所得国(LMICs)におけるエイズ及び結核の診断能力の強化とパンデミック対策で、世界エイズ・結核・マラリア対策基金と協働すると発表した。各国の保健省やパートナーとも協働する。まずは2カ国から3カ国で新技術の実証導入と評価を行い、今後5年間で10カ国での展開を目指す。
今回の発表は、同社の中所得国(LMICs)での医療アクセス拡大アクション「グローバル・アクセス・プログラム」の一環。専門的知見を活用し、HIV/エイズ、結核、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、新型コロナウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)/子宮頸がん等の診断法の確立を目指している。
結核の感染者は、世界で約20億人と推定され、死亡者の95%は中所得国(LMICs)に集中しているという。また、世界で3,700万人以上のHIV感染者のうち、600万人以上が診断を受けることができていない。加えて、新型コロナウイルス・パンデミックにより、HIV/結核プログラムの多くが中断され、HIV検査率は22%低下。2020年の中所得国(LMICs)における結核による死亡者数は、10万人増加したと推定される。
両者は今回、サンプル収集、輸送、検査、タイムリーな臨床介入のための効果的なプロセス構築に加え、ネットワークインフラ、人員、物流やITへのアクセス等の分野でも協働する。さらに、検査の過程で発生する医療廃棄物や、耐用年数を迎えた器具や医療機器の廃棄に伴う環境負荷削減や、経済的負担の軽減もともに進める。
【参照ページ】Roche enters partnership with the Global Fund to support low- and middle-income countries in strengthening critical diagnostics infrastructure
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