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【EU】EU理事会、Fit for 55に基づく交通・輸送での法案で見解採択。陸上、海上、航空での産業転換

 EU理事会は6月2日、包括的な気候変動政策パッケージ「Fit for 55」で提示された交通・輸送部門に関する3つのEU法案に対する見解を採択した。カーボンニュートラルに向けた交通・輸送分野の方向性が概ね決まった。

【参考】【EU】欧州委、包括的気候産業規制「Fit for 55」採択。国境炭素税も盛り込む。大企業賛同(2021年7月15日)

 Fit for 55では、運輸部門に関しては、二酸化炭素排出量を90%削減することを目標として掲げている。今回対象のEU法案は、代替燃料インフラ規則(AFIR)、ReFuelEU航空規則、FuelEU海事規則の3つ。

 まず、車両では、2050年にはEU域内の全車両での電気自動車(EV)または燃料電池自動車(FCV)に占める車両率が、現在の5%から50%へと増加すると想定。EU全域の輸送ネットワーク構想「TEN-T」政策と紐付け、EV充電ステーションは最長60kmおきに、水素補給ステーションは最長200kmおきに配置。大型車両向けの液化メタン燃料の補給ステーションの配置も盛り込んだが、配置間隔の目安は示されていない。各ステーションでは、電子決済対応を義務付け、価格の明瞭表示も義務付ける。一方、欧州委員会の原案への修正事項としては、交通量に応じて欧州委員会が柔軟に設計すること等を盛り込んだ。

 港湾では、主要港では、停泊時の燃料燃焼を防ぐため、2050年までに陸上からの電源ケーブルでの電力供給を90%以上のコンテナ船及び旅客船にアクセスできるよう確保。2030年までには内航船港では少なくとも電力供給施設を1つ以上設置することも盛り込んだ。但し、年間1万機未満の空港は義務を免除する。

 空港でも、停泊中に航空機に空港側から電力供給するため、2025年までにゲート接続の航空機に、2030年までに離れて停泊している航空機に電力供給できるようにする。

 航空燃料では、EUの空港で航空機が利用できるすべての燃料に、2025年からSAFの最低比率を、2030年から合成燃料の最低比率を、2050年まで段階的に増加することを航空燃料供給会社に義務付ける。2030年の最低シェアを5%から6%に引き上げることを想定した。また、燃料タカンリングに対処するため、EUの特定空港で積載する燃料が、年間の総必要燃料の90%以上となることも義務付ける。

 EU理事会での修正事項としては、混合バイオ燃料に関し、REDのサステナビリティと排出削減基準を満たす他の認証バイオ燃料にも範囲を拡大し、最大3%までとする。ただし、食用または飼料用の作物からのバイオ燃料は対象外となる。

 同規則案に関しては、欧州議会でもの見解採択後、欧州委員会を踏まえた3者での政治的合意に向けた会合が始まる。

【参照ページ】Fit for 55 package: Council adopts its position on three texts relating to the transport sector

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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