国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は6月21日、日本の建設・デベロッパー大手10社に対して実施した人権アンケート調査結果を公表した。調査は2021年6月から7月に実施されていた。
調査対象は、三菱地所、三井不動産、住友不動産、東急不動産ホールディングス、野村不動産ホールディングス、大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店。10社全てがアンケートに回答。さらに、三井不動産、東急不動産ホールディングス、野村不動産ホールディングス、大林組、鹿島建設の5社は、ヒューマンライツ・ナウに対し、今年6月に情報のアップデートも伝えていた。
今回の調査では、10社全てが人権方針を掲げており、世界人権宣言やILO中核的労働基準等の国際人権基準を明記していた。さらに、大成建設、住友不動産、三井不動産を除く7社は、人権方針の中で、国際人権基準が守られていない国・地域において事業をする際の各社の姿勢を明示。三井不動産でも、人権方針においては明記されていないものの、国際人権基準が守られていない国・地域においても国際人権基準を守ることが人権への取り組み方針として明記されていた。
一方で、10社全てが、が二次・三次以降のサプライヤー・下請企業を十分に把握できているとはいえない現状にあり、バリューチェーン全体の人権リスクが把握できているとは言えない状況ということがわかった。また、サプライヤー及び下請企業のリストを公開することも、サプライチェーンの透明性を担保する上で、同様に重要と指摘された。サプライヤー等への監査も定期的に実施すべきとした。
また、建設業においては、技能実習生の人権侵害、長時間労働、土地収用等地域住民の権利侵害、環境汚染等も、特徴的な人権リスクとなっており、各社は、建設業で特にリスクの高い問題を人権デュー・ディリジェンスやステークホルダーとの対話を通して把握し、重点的に対応することが望まれるとした。各々の状況についても報告書では詳述されている。
【参照ページ】【報告書】日本の建設業関連会社に対するアンケート結果報告
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