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【国際】世界銀行、グローバルFindexデータベース2021発表。金融インクルージョンが改善

 世界銀行は6月29日、世界の金融データに関して分析した「グローバルFindexデータベース」の2021年版を発表した。同報告書は、世界の支出、貯蓄、借金など金融サービスへのアクセスに関するデータを分析したもの。2011年、2014年、2017年に続く4回目の調査。今回は123カ国12.5万人が調査対象となった。

 口座保有率では、世界の成人の口座保有率が2011年の51%から2021年には76%に上昇。発展途上国では、2017年の63%から2021年の71%と8ポイント上昇した。背景にはサブサハラ・アフリカ地域でモバイルマネーが浸透してきていることにある。また、発展途上国の口座保有率の男女格差はこれまでの9%から6%となり、格差縮小が見られた。

 デジタル決済による支払または受取を実施した割合は、発展途上国では2014年の35%から2021年の57%に増加し、先進国では88%から95%へ増加した。デジタル決済を実施することは、貯蓄や借り入れサービスなど他の金融サービスを利用するための窓口となっていることがわかった。

 モバイルマネーは、サブサハラ・アフリカ地域で、特に女性にとって金融インクルージョンを実現するための重要な手段となっている。同地域での成人の口座保有率は55%であり、そのうち33%の利用者がモバイルマネー口座を保有している。これは、世界で最も大きな割合。モバイルマネーは、個人間の決済だけではなく、それ以外のサービスの利用や貯蓄のための重要な手段となっている。

 また、新型コロナウイルス・パンデミックにより、デジタル決済の普及が加速したことが明らかになった。発展途上国において、2021年には18%が公共料金を口座から直接支払いしているが、この3分の1が新型コロナウイルス・パンデミック以降に初めて利用を開始した。また、店舗でのデジタル決済の利用も増加。インドでは8,000万人、中国では1億人以上が同時期に初めて利用を開始した。

 金融インクルージョンの実現が進む一方で、課題も報告された。発展途上国において、予期せぬ出費が必要な場合に55%しか追加資金を入手できていない。女性や貧困層は、緊急時の資金確保に成功する可能性が低く、友人や家族を第一候補とする傾向があった。

 また、銀行口座を持たない14億人は、その理由として資金不足、最寄りの金融機関への距離などを挙げている。解決策として、政府からの送金、農作物販売などへのデジタル決済の活用が有効だとした。発展途上国の成人の39%が、賃金の支払いや政府からの送金を受けるために初めて口座を開設している。

 銀行口座を持たない利用者への口座開設後のサポートも重要だと指摘。銀行口座を持たない人の約3分の2がサポートが無ければ利用は難しいと回答していた。また、発展途上国の銀行口座を保有する20%は、賃金を銀行口座に受け取る際に不要な手数料を支払っている。利用促進のサポートだけではなく、金融リテラシーの向上や顧客に合わせた商品設計、強力な消費者保護措置が必要だと訴えた。

【参照ページ】The Global Findex Database 2021: Financial Inclusion, Digital Payments, and Resilience in the Age of COVID-19

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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