
米エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)は9月2日、世界の炭素回収・利用・貯留(CCUS)プロジェクト13件の稼働状況を分析した報告書を発表した。ほとんどのプロジェクトが想定されたパフォーマンスを下回っており、カーボンニュートラルに向けた手段としてリスクが高い投資と表明した。
国際エネルギー機関(IEA)は、2050年までのカーボンニュートラル達成に向けて、2030年までに年間の二酸化炭素回収能力を16億tに増やす必要があるとの見立てをしており、CCUSが昨今注目を集めている。過去累積で、CCUSでの炭素回収の点源は、天然ガス加工が69%、重工業が25%、発電が6%。またCCUSの区分では、カーボンニュートラルに向けたソリューションとはならない石油増進回収(EOR)型が、回収量全体の73%を占めており、非EORがわずか27%しかなかった。
そのため、今回の稼働状況調査では、CCUS全体の中で大規模プラントなっている世界のCCSプロジェクト13件を対象に絞り、稼働状況を分析した。13件のプロジェクトで世界の回収能力の約55%を占める。内訳では、現在稼働中のものが10、廃止が2、停止が1。稼働中の10件のうち、貯留量が当初想定の貯留能力を下回っているものが7件もあった。例えば、米国のシュートクリークプラントは貯留実績が想定能力の64%、カナダのバウンダリーダムプラントは約50%にとどまっていた。西オーストラリア沖のゴーゴンプロジェクトでも最初の5年間で貯留量が貯留能力の50%程度にとどまっていた。
今回の13件の調査のうち、明確に成功と呼ばれるのはノルウェーでのガス加工プラントに設置されたSleipnerとSnøhvitの2件のみ。IEEFAは、要因について、ノルウェーでは、高額の炭素税や厳格な環境規制があるためとした。
今回の調査結果を受け、IEEFAはCCUSは期待外れに終わり、リスクが高い投資と説明。CCUSに過度な期待をすべきではないとした。少なくとも現状レベルでは、十分な投資対効果を発揮しないことがわかった。
【参照ページ】Carbon capture remains a risky investment for achieving decarbonisation
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