欧州委員会は9月28日、アスベスト対策の包括的政策アプローチを発表した。EUでは2005年からアスベスト(石綿)の使用が禁止されているが、既存の建物等には依然として多く残っている。そのため、改修工事等でアスベストが放出され、癌等の健康被害を引き起こし続けている。
今回発表した政策は、アスベストが残っている建物の設計、建設、解体までのデータ提供を義務化し、各加盟国政府が管理する制度を提案。さらに残っているアスベストを除去していく国家戦略の策定も求める。
また改修・解体時の曝露を避けるため、EU建設・解体廃棄物管理議定書と、建物の解体・改築工事前の廃棄物監査に関するガイドラインを改訂。管理と処理の在り方を特定するための調査も行う。アスベストの職業暴露限界値を、現在の0.1f/cm3から0.01f/cm3に10倍に引き下げるため、職場アスベスト指令も改正する。
その上で、アスベスト関連疾患の被害者の支援を強化。明確に労災対象疾患とするとともに、がん検診でも十分に考慮する。EUでは、グリーン・トランスフォーメーションとして建築物の省エネリノベーションを加速させることを打ち出しており、それに伴ってアスベスト対策も同時に必要となってきた形。
日本でも、2006年9月から、アスベストを重量で0.1%を超える製品の製造、輸入、新規使用が禁止されているが、EUと同様に過去の建築物に関しては、規定がない。
【参照ページ】Commission acts to better protect people from asbestos and ensure an asbestos-free future
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