航空世界大手米デルタ航空と米マサチューセッツ工科大学(MIT)は10月6日、長期間残存する飛行機雲の発生防止に関する共同研究を進めていると発表した。同研究では、MIT開発の飛行機雲が発生しやすい高度と場所を予測するアルゴリズムを活用。持続性のある飛行機雲の原因研究や、環境影響の評価、解決策の検証を行う。
飛行機雲は、航空機の排気ガス中の水蒸気が、外気に急激に冷やされてできるもの。巡航高度で約65%の確率で発生するが、数分以上残存する飛行機雲は、そのうちの10%程度。しかし、長期間残存する飛行機雲は、熱を大気中に閉じ込め、気候変動に悪影響を及ぼすことが懸念されている。科学者の間でも、長期間残存する飛行機雲が、航空業界の環境負荷の大きな要因と考える人が増えているという。
過去の研究やシミュレーションによると、持続性のある飛行機雲の約80%は、飛行高度を調整することで回避可能。燃料消費も最小限に抑えることができるため、飛行機雲の回避は、航空業界の気候変動への影響を軽減する最も迅速で費用対効果の高い手法になり得ると分析した。
今回の研究で活用するツールや技術は、オープンライセンスのもとで開発。航空業界に重要な同課題の研究への参画を呼びかけている。
【参照ページ】Delta’s latest climate collaboration tackles warming contrails with MIT
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