スイス建築材料製造ホルシムは11月10日、2030年までの二酸化炭素排出量目標を引き上げたと発表した。同目標は、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)がセメント業界向けに作成した新基準での承認第1号となった。
【参考】【国際】SBTi、セメント・建設セクター向けCO2排出量削減目標ガイダンス公表。ホルシム資金支援(2022年9月28日)
同社は2021年10月、2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成目標について、SBTiのネットゼロ・スタンダード承認を得た最初の7社の一つ。その後、さらにセメント業界に特化したロードマップを作成し削減基準そのものを固める必要があると判断し、SBTiに資金を拠出し、セメント業界特化型の新基準の策定に成功。同社自身が、今回、新基準に適合する目標へと引上げ、新基準の承認第1号となった。
【参考】【国際】SBTi、事業会社向けカーボンニュートラル目標認定「ネットゼロ・スタンダード」発表。早速7社承認(2021年10月28日)
今回の目標では、スコープ1とスコープ2では、セメント建材1t当たりの原単位排出量を2018年比25%削減する。スコープ1単体では同22.4%削減、スコープ2単体では同65%削減。またスコープ3では、調達したクリンカ及びセメント1t当たりの原単位排出量を2020年比25.1%削減する。
同社は目標達成に向け、再生可能エネルギーを活用した事業運営、低炭素型コンクリート製品「ECOPact」やセメント製品「ECOPlanet」等の提供等を展開。二酸化炭素排出が避けられない分野では、炭素回収・利用・貯留(CCUS)プロジェクト等の技術開発を進めている。詳細については後日公表し、2023年5月の株主総会で「Say on Climate」の承認をとりにいく。
【参照ページ】HOLCIM UPGRADES ITS 2030 CLIMATE TARGETS IN LINE WITH SBTI 1.5°C FRAMEWORK
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら