経済産業省電力・ガス取引監視等委員会は1月13日、東北電力傘下の東北電力ネットワークに対し、電気事業法に基づく報告徴収を発出した。一般送配電事業者として漏洩を禁じられている新電力の顧客に係る非公開情報が、東北電力ネットワークの端末管理の不備を通じて、小売電気事業を営んでいる東北電力の営業所内で閲覧可能な状態になっていた。
同様の事象では、2022年12月27日には、関西電力傘下の関西電力送配電に関しても、同様に、新電力の顧客に係る非公開情報が、アクセス制限の不備により関西電力側から閲覧可能となっていた。
電力・ガス取引監視等委員会によると、東北電力と関西電力の双方で、実際に情報の閲覧されていたことも判明。関西電力の事案では、わずか過去1週間の部分解析調査だけで、329人の関西電力社員及びその委託先の関係者が、1,327契約の新電力の顧客情報を閲覧していたという。実際には閲覧件数はこれより多くなる可能性がある。
同委員会は、各一般送配電事業者及び関係小売電気事業者に対して、同日付けで網羅的に緊急点検を行うこと等を求めた。
[2023.1.31追記]
関西電力は1月30日、電力・ガス取引監視等委員会と個人情報保護委員会に対し、不正閲覧した実績数の修正を報告。閲覧者は、2022年9月12日から12月12日までで726人、2022年4月1日から12月19日までで1,013人。漏洩した顧客情報は、2022年9月12日から12月12日までで14,805契約、2022年4月1日から12月19日までで40,806契約に達した。
電力・ガス取引監視等委員会は1月18日には、九州電力と九州電力送配電に報告徴収を発出。1月27日には、中部電力パワーグリッドと中部電力ミライズに発出。1月30日には、中国電力と中国電力ネットワークに発出した。
【参照ページ】東北電力ネットワーク株式会社の情報漏えい事案に関して、報告徴収等を実施しました
【参照ページ】関西電力送配電株式会社の情報漏えい事案に関して、関西電力送配電株式会社及び関西電力株式会社に対して報告徴収を行いました
【参照ページ】監督官庁からの新電力顧客情報の取扱いに係る報告徴収への追加報告
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