【EU】欧州委と上級代表、経済安保戦略発表。リスク評価と経済レジリエンス

　欧州委員会とEU外務・安全保障政策上級代表は6月20日、欧州経済安全保障戦略に関する共同コミュニケーションを発表。地政学的緊張の高まりとイノベーションの加速の中で、経済開放とダイナミズムを最大限に維持しつつ、特定の経済の流れから生じるリスクを最小限に抑える政策を打ち出した。

　今回の政策では、エネルギー安全保障を含むサプライチェーンのレジリエンスに対するリスク、重要インフラの物理的セキュリティ及びサイバーセキュリティに関するリスク、技術セキュリティと技術流出に関するリスク、経済依存関係を利用した武器化や経済的威圧のリスクの4つを徹底的に評価することを提案した。

　その上で、リスク軽減の方向性として、3つの施策を掲げた。

• EU競争力の促進に向け、単一市場の強化、強くレジリエントな経済の支援、スキルへの投資、EUの研究・技術・産業基盤の育成
• EUの経済的安全保障を守るため、既存の政策や手段を活用し、想定されるギャップに対処するための新たな手段の検討
• パートナー国との連携のため、通商協定の推進と最終化、その他のパートナーシップの強化、国際ルールに基づく経済秩序と世界貿易機関（WTO）等の国際機関の強化、グローバル・ゲートウェイを通じた持続可能な開発への投資等

　リスク評価の際には、欧州委員会及びEU加盟国が、必要に応じて上級代表と協力し、民間セクターの意見を取り入れながら実施することを協調。また、動的かつ継続的なプロセスで実施していくことを提唱した。EU理事会は6月29日と30日に開催される会合で同政策を協議する。

【参照ページ】An EU approach to enhance economic security

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