
気候変動に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局ネットワーク「気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(Network for Greening the Financial System;NGFS)」は6月22日、ブレンデッド・ファイナンスに関するコンセプト・ノートを発表した。11月30日に始まる国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)でハンドブックに仕上げ、発行する予定。
今回のコンセプト・ノートは、NGFSのブレンデッド・ファイナンス・イニシアチブが作成。同イニシアチブの共同議長は、シンガポール通貨監督庁とオランダ銀行が担当している。
同ノートは、パリ協定の目標達成には、世界全体で2050年までに毎年3兆米ドルから6兆米ドルの投資が必要となるが、特に新興国や発展途上国では、現状のままでは、必要な投資額を下回る可能性が高いという問題にフォーカスしている。また、投資が滞ることで、物価高騰やエネルギー不足等で社会が混乱し、ますます達成が困難になることも懸念。新興国や発展途上国の気候変動緩和と適応の資金調達手段は、債券が中心だが、外貨建発行の割合が多く、国内の資本市場に厚みがないことも課題として挙げた。
そこでNGFSでは、突破口として、ブレンデッド・ファイナンスに活路を見出している。作成予定のハンドブックは、民間投資家を惹きつけることを狙う。内容では、先進国事例も含めたインサイトの発掘、エコシステム構築のための要素の特定、一連のベストプラクティスと原則の3つに焦点を当てる。
同ノートでは、需要側の障壁として、通常の新興国リスクに加え、プロジェクト選定・開発における能力・専門性の不足、野心的でないプロジェクトや強固な気候政策に合致していないプロジェクト、銀行融資可能なプロジェクトの不足、民間資本へのアクセスの不足、国際開発金融機関(MDB)からの資金調達に対する新興国・発展途上国の需要不足を挙げた。
供給側の障壁では、長いインフラプロジェクトの時間軸、特異なプロジェクトリスクとリスク非分散、ガバナンス、透明性、アカウンタビリティの不十分性、プロジェクトを集約するスケール・ビークルの不在、投資可能なプロジェクトの低い投資パフォーマンス、スケーラビリティの欠如、投資家層の規模の小ささ、受託者責任への配慮、資産配分モデルにおけるブレンデッド・ファイナンスの限定的な役割譲許的・触媒的ファイナンスの不足等を挙げた。
今後の議論の方向性では、ブレンデッド・ファイナンス向けの測定、モニタリング、検証、インパクト評価の共通報告基準を策定することが重要との考えも示した。
【参照ページ】NGFS publishes Conceptual Note for the Blended Finance Handbook
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