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【国際】水銀水俣条約締約国会議、一般照明用の蛍光灯製造禁止で合意。生物多様性議論との接続も

 水銀に関する水俣条約第5回締約国会議が10月30日から11月3日までスイス・ジュネーブで開催。水銀の有害な影響から人の健康と環境を守るための23の決議が採択された。

 今回の決議では、同条約第4条で規定されている水銀添加製品(附属書A)の製造及び輸出入の禁止、同条約第5条で規定されている水銀または水銀化合物を使用する製造工程(附属書B)の改定について議論。結果、附属書Aの改定で、特定の電池、スイッチ、リレー、蛍光灯等の品目について、2025年末から2027年末までに製造及び輸出入を段階的に廃止することで合意した。第4回締約国会議までに段階的な廃止が合意されたものを含めると、全ての一般照明用の蛍光灯で、2027年末までに製造及び輸出入が禁止されることになる。

 同時に、歯科用アマルガムの段階的削減を進める新たな要件でも合意。2025年以降に化粧品への水銀使用を禁止することでも合意した。附属書Bの改定では、水銀触媒を使用するポリウレタンの生産を2025年に段階的に廃止することで合意。但し、アフリカ地域からの改定提案と、第4回締約国会議での合意に基づき、これらの成果達成に向け努力し、次回2025年の第6回締約国会議で、歯科用アマルガムに関するさらなる措置を検討することも合意した。

 また、土地や水域への水銀放出に関しては、同条約第9条に基づき、重要な発生源に関する放出インベントリを作成・更新することが求められているが、今回の決議で、ベストプラクティスに関するガイダンスを採択し、締約国に対し、大気中への水銀排出を規制を促進していくことでも合意した。その一環として、技術専門家グループが作成した「水銀の放出に関する利用可能な最良の技術と環境のための最良の慣行(BAT/BEP)ガイダンス」も採択した。

 水銀廃棄物の閾値では、同条約第11条に基づき設定することになっているが、今回の決議では、水銀廃棄物の3区分のうち、まだ閾値が決定されていなかった「水銀汚染廃棄物」に関し、水銀含有濃度15mg/kgに決定。当該閾値を採用しない国は、適切な廃棄物管理措置がなされていることを事務局に提出を求めることも決まった。

 同条約第7条が規定している零細小規模金採掘(ASGM)の扱いについては、先住民族及び地域社会の土地で零細小規模金採掘(ASGM)を行う場合は、先住民族や地域社会の自由意思に基づき、事前にかつ十分に合意(FPIG)の原則に基づく適切な措置を講じることや、行動計画を策定及び実施する際には、先住民と地域社会及びステークホルダーが適切に参加すること等が決まった。

 今回の締約国会議では、国連生物多様性条約の昆明・モントリオール生物多様性枠組みが、水銀に関する水俣条約にとっても大きな節目となったことを考慮し、締約国に対し、水銀削減と生物多様性に関する統合行動を推進することを促した。また、生物多様性条約締約国会議(CBD COP)に対し、ターゲット7の下で、有害性の高い化学物質と水銀を対象とする追加指標を検討するよう求めた。

【参照ページ】Minamata Convention COP-5 takes crucial steps in its mission of eliminating mercury pollution
【参照ページ】「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」の結果について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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