世界保健機関(WHO)は11月20日、5歳未満児の急性栄養不良(SAM)への対策を強化するため、新たな「消耗症及び急性栄養不良予防・管理ガイドライン」を発行した。
国連持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年までに栄養不良をゼロにするという目標を盛り込んでいるが、近年横ばい状態が続いており、2022年には全世界で推定4,500万人の5歳未満児が栄養不良状態にあるとみられている。急性栄養不良の治療を受けている5歳未満児も約730万人いるとみられる。治療率は改善しているものの、最も深刻な影響を受けている国の多くでは、必要なケアを十分に受けられない状況が続いている。
国連機関では2019年、WHO、国連食糧農業機関(FAO)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連児童基金(UNICEF)、世界食糧計画(WFP)が初めて「子どもの消耗症に関するグローバル・アクションプラン(GAP)」の作成作業を開始。2022年11月にアクションプランが公表された。今回発行されたガイドラインは、アクションプランを実施するため、エビデンスに基づく勧告とグッドプラクティスをまとめたもの。
同ガイドラインでは、主に3つの内容に焦点を当てている。
- 子ども中心のアプローチと、母親と乳幼児を相互依存のペアとしてケア
- 母乳育児と栄養豊富な家庭食へのアクセス
- 急性栄養不良の子どもたちにエビデンスに基づくケアを提供する上で地域保健ワーカーが重要な役割
WHOは今後、国連諸機関と連携し、実務ガイダンスの開発も進める。
【参照ページ】WHO issues new guideline to tackle acute malnutrition in children under five
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