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【アメリカ】アップル、2024年後半に生成AI計画開示へ。株主総会では保守派からも株主提案

 アップルのティム・クックCEOは2月28日、年次株主総会の中で、生成AIの実用化計画について2024年後半に詳細を開示すると発表した。

 同社の今回の年次株主総会では、全米労働組合AFL‑CIOが運営する「AFL‑CIO Equity Index Funds」が、同社に対し、AIの使用に関する透明性レポートを公表するよう求める株主提案を提出。同様の株主提案は、コムキャスト、ディズニー、ネットフリックス、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーにも提出されており、そのうちアップルとワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーは、米証券取引委員会(SEC)に対し、株主提案の株主総会での議案化を却下するよう求める申請を出したが、SECは却下していた。

 AFL‑CIO Equity Index Fundsの株主提案は、AIの仕様により、従業員差別や、業務の自動化による解雇、消費者プライバシーの侵害、選挙に関する偽情報の促進等のリスクがあると指摘。同社が責任あるAIに関するガイドラインを策定することが、高額な労働争議を防ぎ、利益を底上げすると伝えていた。

 これに対し、アップル側は、同議案への反対を推奨。理由としては、すでに同社は責任あるAIにコミットしており、株主提案が求める水準の情報開示は、同社の戦略を詳らかにし、競争上の障害となるためとした。そのうえで、国連人権に関する指導原則(UNGP)に基づく人権デューデリジェンスにより人権リスク対策を実施しており、すでにガイドラインも策定していると強調した。

 今回の株主提案には、37.5%の賛成が集まったが、過半数に達せず否決された。株主総会前には、ノルウェー銀行投資マネジメント(NBIM)、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、ニューヨーク市退職年金金等が、議案への支持を表明していた。また、議決権行使助言大手グラス・ルイスとISSも賛成を推奨していたと報じられている。

 今回の株主総会では、他にも株主提案が多数提出された。保守派シンクタンクの全米公共政策研究センターからはEEO(雇用機会均等法)ポリシー、アメリカ家族協会からは市民の自由の尊重、Arjuna Capitalからは人種・ジェンダー・ペイ・ギャップ、保守派シンクタンクのNational Legal and Policy Centerからはプライバシー・人権をテーマに、情報公開を求める要求が会ったが、同社は全て反対を推奨。全て賛成が過半数に達成せず否決された。保守派からの株主提案は、同社のリベラルな姿勢を批判するスタンスを採っている。具体的には、各ポリシーが言行不一致やダブルスタンダードの状態にあり、レピュテーションリスクを高めていると述べ、そのようなスタンスを撤回させようという意図が伺える。

【参照ページ】Notice of 2024 Annual Meeting of Sharehorlders and Proxy Statement

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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