
アマゾンのAmazon Web Services(AWS)は3月7日、世界全体で、AWS以外の外部クラウドサービスやオンプレミス環境へ移行する際のデータ転送費用を3月5日から無料にしたと発表した。すでに同様の決定をグーグルも行っており、無料にする慣行が大手に広がっている。
今回の決定には、EUでEUデータ法が1月11日に施行されたことが背景にある。同法は欧州議会を2023年11月9日、EU理事会を11月27日に通過し成立していた。同法では、顧客は異なるクラウド・プロバイダーの切り替えを容易にするために、データの相互運用性基準の策定を規定。データ移転の妨げとなるような行為を禁止していた。
【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、EUデータ法で政治的合意。データアクセス権や乗り換え促進等(2023年6月29日)
AWSは従来、AWSリージョンからインターネットへのデータ転送で、1ヶ月100GBを超える場合には、有料対応としており、10%未満の顧客が費用を払っていた。Amazon CloudFrontからのデータ転送でも、毎月1TBを超える場合には有料対応していた。しかし3月5日から、システム環境の移行に関するデータ転送(DTO)料金について、全て無料とした。システム環境の移行に関するものかを確認するため、AWSサポートへの連絡が必要となる。契約しているAWSアカウントを停止する必要はない。
グーグル・クラウドも1月12日、環境移行でのデータ転送費用を無料化すると発表。但し、同社は、無料対応するためには、Google Cloudの利用を停止することが条件になるとの考えも示していた。同社は発表に際し、むしろオンプレミス側でシステム環境の移行を妨害している商慣習があることを批判し、クラウド化を進めることに利があるとの意見も伝えていた。
【参照ページ】AWS からの移行時におけるインターネットへの無料データ転送
【参照ページ】Cloud switching just got easier: Removing data transfer fees when moving off Google Cloud
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