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【日本】改正入管法成立。技能実習制度廃止、育成就労制度開始。3年以内に施行へ

 参議院は6月14日、本会議で改正出入国管理法案を可決。同法が成立した。同法では、外国人技能実習制度を廃止し、新たに育成就労制度を設けることが盛り込まれている。公布の日から原則3年以内に施行される。

 今回の法改正では、法務省の有識者会議は4月10日、「国際貢献」を目的とした外国人技能実習制度を廃止し、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度の創設を検討すべきとの中間報告をまとめていた。

【参考】【日本】法務省有識者会議、外国人技能実習制度廃止を答申。人材確保も目的に加え制度刷新へ(2023年4月10日)

 2023年末時点で日本に在留する技能実習生は40万4556人。今回の法改正では、技能実習の在留資格を廃止し、「育成就労産業分野」(特定産業分野のうち就労を通じて技能を修得させることが相当なもの)に属する技能を要する業務に従事すること等を内容とする「育成就労」の在留資格を創設する。また、一定基準に適合する企業の外国事業所の職員が技能等を修得するための「企業内転勤2号」の在留資格も新設する。

 育成就労制度では、受入れ企業は、育成就労計画の認定が必要になる。要件は、育成就労の期間が3年以内(但し条件により1年延長可)、業務、技能、日本語能力その他の目標や内容、受入れ機関の体制、外国人が送出機関に支払った費用額等が基準に適合していることといった要件を、今後省令で設ける。また、季節性のある分野において、派遣形態による育成就労の実施を認めた。

 同法では、技能実習在留資格では原則禁止されていた転籍ができるようになる。転籍に関しては、受入れた人材が職場を離れることを避けるため、雇用主側が反対していたが、転籍の禁止については、職業選択の自由を認める人権を侵害しているとの声も上がっていた。転籍では、転籍先も育成就労計画の認定が必要となる。また転籍の認定は、本人の意向に基づくことが前提で、省令で別途定めるルールや、同一業務区分内であること、就労期間・技能等の水準・転籍先の適正性に係る一定の要件を満たす場合に実施される。

 転籍のルールについては、現在の想定では、同一機関での就労期間については分野ごとに1年から2年の範囲で設定すること、技能等の水準については、技能検定試験基礎級等及び分野ごとに設定するA1またはA2相当の日本語能力に係る試験への合格、転籍先が、育成就労を適正に実施する基準を満たしていることを要件として定める考え。

 同改正法施行までに技能実習生として入国した外国人は、施行後も、技能実習1号から技能実習2号、技能実習2号から技能実習3号といった次の段階までの資格変更を一定の範囲で認める。また技能実習3号から特定技能1号へと移行する道も残る。

 外国人労働者の保護では、外国人に不法就労活動をさせる等の不法就労助長罪の罰則を引上げた。現行の拘禁刑3年以下又は罰金300万円以下から、5年以下又は500万円以下もしくはその両方へと改定された。

 一方、永住許可の要件を一層明確化し、その基準を満たさなくなった場合等の取消事由を追加する制度も盛り込んだ。具体的には、税金や社会保険料の不払いや、1年以下の懲役等(改正刑法施行後は拘禁刑)に係る刑罰法令違反を行った場合等に、永住資格が取り消される見込み。但し、特段の事情がない限り、在留資格を変更して引き続き在留そのものは許可する。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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