
欧州証券市場監督局(ESMA)は7月9日、中央清算機関(CCP)に対する第5回ストレステストの結果を公表した。今回のストレステストでは、気候変動リスクに関するテストも実施された。
今回のストレステストでは、欧州のCCPと、ティア2第三国のCCPを合わせて16のCCPが対象となった。また、複数の清算参加者のデフォ ルトや同時多発的な市場価格ショックによる不利な市場展開に対するCCPのレジリエンスを測定した。さらに今回は、市場ストレスシナリオの追加、集中に関するモデル・リスク評価の強化、信用と流動性に関する逆信用ストレス・テストの拡大、気候変動リスクに関するテスト等、新たな測定も行われた。
今回のテスト結果では、信用リスクに関し、最大のエクスポージャーを持つ2つの清算メンバーグループのデフォルトが組み合わさった重大な市場ショックに対しても、耐性があることがわかった。流動性リスクについても、十分な耐性があることがわかった。集中リスクについては、CCP全体のシステム全体では、金利デリバティブでリスクが相対的に大きいことがわかった。
気候リスクに関しては、今回は「探索的」として扱われており、リスク分析を進化させるための試行と位置づけられた。今回のテストでは、「移行リスクがビジネスモデル・リスクに与える影響」「移行リスクが担保要件に与える影響」「物理的リスクがCCPの業務に与える影響」「気候変動リスクがCCPの業務に与える影響」の4つの気候変動関連リスクの把握に限定して、テストが行われた。このうち「気候変動リスクがCCPの業務に与える影響」については、ストレステストではなく、潜在的な脆弱性を把握することが目的となっている。
分析の結果では、サステナビリティ政策が段階的に導入される長期シナリオでは、CCPは移行リスクにさらされることがわかった。特に、商品デリバティブとエネルギーデリバティブへのエクスポージャーの高いCCPでは、今後、適切な戦略、ガバナンス、リスクマネジメントを策定することが期待されるとした。物理的リスクについては、すでに多くCCPで考慮され始めていることもわかった。
CCPのエコシステム全体では、EUおよびティア2第三国のCCPと、清算メンバーの必要証拠金の総額は、前回2021年3月時の3,920億ユーロから、2023年3月には6,120億ユーロへと56%増加していた。
【参照ページ】ESMA’s stress test of Central Counterparties finds clearing system resilient
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