
中国国家発展改革委員会と国家エネルギー局は7月16日、「2024-2025年省エネ・炭素削減行動計画」に基づき、「石炭火力発電と低炭素化改修・建設に関する行動計画(2024-2027年)」を策定したと公表した。発出通知は6月24日付。
中国政府は現在、パリ協定に基づく国別削減目標(NDC)で、2030年までにカーボン・ピークアウト、2060年までにカーボンニュートラルを達成することを掲げている。今回の行動計画も、目標達成のための政策の一つとして設定された。
同行動計画では、2027年までの目標を設定した。石炭火力発電の低炭素化改修・建設プロジェクトの第一陣を2025年までに開始。発電量当たりの原単位温室効果ガス排出量を、2023年の同種の石炭火力発電の平均炭素排出量と比べ約20%削減。さらに、2027年までに、石炭火力発電による低炭素発電の適用技術をさらに拡大し、石炭火力発電所の建設及び運転コストは大幅に減少させるとともに、温室効果ガス原単位排出量を、2023年の同種の石炭発電比で約50%削減する。目標策定では、天然ガス火力発電の原単位排出量がベンチマークとして考慮された。
低炭素化の手法では、バイオマス混焼、グリーンアンモニア混焼、炭素改修・利用・貯留(CCUS)の3つを挙げた。バイオマス混焼では、農業廃棄物、林業廃棄物、サンドプラント、バイオマス燃料を利用する。バイオマスとグリーンアンモニアの混焼比率は10%以上と定めた。また、熱電供給(コジェネレーション)も奨励する。
プロジェクトの展開では、再生可能エネルギー資源が豊富で、経済基盤が整備され、地質条件が適切な地域でのプロジェクトを優先する。バイオマス混焼の場合は、農林廃棄物、サンドプラント、バイオマス燃料植物等のバイオマス資源を長期的に安定して利用できる場所でなければならない。グリーンアンモニア混焼の場合は、再生可能エネルギー電力を利用して水電解して生成するグリーンアンモニアの供給源と、再生可能エネルギー資源が豊富にあり、さらにグリーンアンモニアの調達需要を満たさなければならない。CCUSの場合は、周辺地域に、二酸化炭素資源の利用シナリオがあるか、長期的に安定した地質学的貯蔵条件を満たさなければならない。グリーンアンモニアに関しては、再生可能エネルギー発電とセットになるため、風力発電や太陽光発電に有利な砂漠地域を有力候補としている。
送電網に関しては、電力運用とスケジューリングプログラムを最適化し、排出削減効果が顕著な石炭火力低炭素化改修・建設プロジェクトの系統連系を優先し、さらにプロジェクトに必要な再生可能エネルギー発電またはゼロエミッション発電を優先的に系統連携させる。
プロジェクトの予算では、超長期国債等も活用。また同政策で承認されたプロジェクトに対しては、総合的な事業コスト、実際の排出量削減効果、各種市場収入を統合した上で、政府、企業、利用者が分担する配分メカニズムの確立を検討し、段階的な支援政策を行う。同時に、インフラセクターの不動産投資信託(REIT)、グリーンボンド、カーボンクレジット、科学技術革新・技術転換リファイナンス等の資金調達手段も奨励する。
【参照ページ】国家发展改革委 国家能源局关于印发《煤电低碳化改造建设行动方案(2024—2027年)》的通知
【参照ページ】国家发展改革委有关负责同志就《煤电低碳化改造建设行动方案(2024—2027年)》答记者问
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