
バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は7月17日、2023年12月に策定した最終規則文書「暗号資産エクスポージャーに係るプルデンシャルな取扱い」を改訂した。2023年12月から改訂に向けた市中協議を行っていた。新ルールは2026年1月1日から適用される。
今回の改訂では、まず、暗号資産の開示原則について、2023年12月の初版では、通常のバーセル規制の第3の柱の概念を踏襲し、重要性が高い場合に開示するというルールが課されていた。一方、今回の市中協議では、重要性の定量基準の明確を求める声があり、「テンプレートCAE1」に基づいて報告されるグループ2の暗号資産に関しては定量基準が定められた。
テンプレートCAE1は、暗号資産については、権利・義務が明確に定義され、償還・移転・決済完了を行う主体が規制・監督されており、機能やネットワークに係る重要なリスクが十分に管理・削減されるように設計・運営されているステープルコインを「グループ1」の暗号資産として扱い、それ以外の金融リスクを抱える暗号資産を全てグループ2としている。
グループ2の暗号資産では、銀行の暗号資産エクスポージャーが総額レベルで重要かどうかを確認。銀行のグループ2エクスポージャー限度額が0.3%以上の場合にステープ1と判定、銀行が個々のグループ2暗号資産に対するエクスポージャーがグループ2暗号資産エクスポージャー全体の5%を超える場合、ステージ2と判定される。
また、テンプレートCAE1に基づくグループ2暗号資産の保有金額開示では、期末だけでなく、日次平均値が求められることがきまった。その結果、銀行の暗号資産へのエクスポージャーを含む最低限の健全性要件は、報告期間末だけでなく、常に満たされることが義務化された。
グループ1暗号資産のうち、伝統的資産をトークン化した中央銀行デジタル通貨(CBDC)については、エクスポージャーを個別報告することも決まった。暗号資産に関連するオペレーショナル・ロスの総額も報告することがルール化された。
【参照ページ】Basel Committee publishes final disclosure framework for banks' cryptoasset exposures and targeted amendments to its cryptoasset standard
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