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【日本】米人権NGO、アシックスに人権是正措置要求。カンボジア委託先工場での結社の自由事案

 国際人権NGO米ワーカー・ライツ・コンソーシアム(WRC)は7月2日、アパレル大手アシックスに対し、カンボジアの委託先工場運営ウィングスター・シューズで、労働組合員への報復行為が発生していると発表。アシックスに対し、人権是正措置を採るよう要求した。

 同NGOは、カンボジア政府が近年、工場経営者と結託し、労働組合を弾圧する動きに出ているとみている。それにより、国際的なアパレル・ブランドの委託先工場で、労働者リーダーが拘束され、刑事告訴に至る事態が発生していると警鐘を鳴らした。

 今回の発表では、アシックスの委託先のウィングスター・シューズは、「最も酷い例」として紹介された。ウィングスター・シューズがカンボジアのコンポンスプー州に持つ靴工場では、劣悪な労働環境と待遇を改善するために、1月10日に独立した労働組合を結成し、チア・チャン氏が委員長に選出されている。同NGOによると、チア・チャン氏は、労働組合を結成したことで、2月14日に同社経営者の通報を受けた警察により拘束。拘置所で120日以上拘束され、虚偽で報復的な刑事告訴で起訴されたという。同氏は、6月20日に懲役1年、執行猶予6カ月の判決を受けている。

 WRCは5月26日、アシックスに対し、今回の事案を通知。ウィングスター・シューズのチア・チャン氏の報復措置は、カンボジアの法律、国際労働人権基準、アシックスのサプライヤー行動規範に違反していると伝えた。同時に、ウィングスター・シューズとの取引継続の条件として、チャン氏に対する虚偽の刑事告訴の取下げ、留置所からの速やかな釈放、工場での元の地位への復職、勾留期間に対する賃金と補償金の支払いを盛り込むよう要求した。さらに、ウイングスター・シューズが、他の労働者にも労働組合からの脱退を強要し結社の自由の人権を侵害していることをやめさせることも要求した。

 一方、同NGOによると、アシックスは、WRCの要求を拒否したという。WRCは今回、同州では、アパレル大手ケイト・スペードやマイケル・コースの委託先工場スーパールでも、2020年に同様の事例が発生し、経営者からの通報により労働組合委員長が40日以上拘束された事例を紹介。同事案では、ケイト・スペードとマイケル・コースは、スーパーエルに介入し、釈放に至ったことを強調し、アシックスの拒否姿勢を追及する姿勢も見せた。

 同NGOは7月30日、東京都内で記者会見を開催。団体の代理人弁護士がアシックスへの要求を改めて伝えていた。

【参照ページ】ASICS Allowed Cambodian Supplier Factory to Have Worker Jailed for Months, Sentenced to One Year in Prison in Retaliation for Forming Union

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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