
中国国家発展改革委員会、国家エネルギー局、国家デジタル局は7月25日、合同で「新電力系統建設加速行動計画(2024-2027)」を発表した。再生可能エネルギー時代に向け送配電網整備等を加速する。
今回の行動計画では、カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの導入量を加速していくため、配電網を大幅に増強していくことが柱。さらに石炭火力発電の活用の方向性や、電気自動車(EV)充電ステーションの整備についても方向性を示した。
送配電網の整備では、系統接続に関する技術標準と管理要件を策定。グリッド・コンフィグレーション(系統構成制御技術)の適用も促進する。送配電網の整備系計画では、EV充電ステーション網の整備計画やバッテリー及び蓄電発電所の普及見通しともリンクさせる。
電力系統全体では、石炭火力発電の割合を減らし、再生可能エネルギーの割合を積極的に高めていく。また太陽光発電所や風力発電の稼働率を上げるため、蓄電設備も併設していく。
データセンター(DC)増加による電力需要増に対しては、再生可能エネルギー発電所の整備とセットで検討し、地産地消に近いエネルギーシステムを追求する。また、データセンターの演算と電力の協調運用レベルを高め、データセンターにおける再生可能エネルギー電力の比率を高めていく。データセンター内の廃熱を再利用することで、周辺地域の熱需要にも活用していく。
大規模送電網にカバーされていない地域では、風力発電や太陽光発電によるスマート・マイクログリッド・プロジェクトを奨励。地域内で電力需要を賄えるようにしていく。
石炭火力発電に関しては、電源割合を低減していく一方で、調整電源としての役割を期待。同時に、低炭素もしくは脱炭素燃料による混焼、炭素回収・利用・貯留(CCUS)等の技術導入を進め、原単位排出量を大幅に削減していく。高効率石炭火力発電所の新設については、中止しないが、炭素削減効果を算定する基準を策定し、クリーン、低炭素、フレキシビリティ、インテリジェンス等の要件を設けていく。
調整電源としては、蓄電発電所についても記載。共有蓄電発電所を一括して建設していく。同時に通報と市場ベースの運営メカニズムを改善し、系統レベルの電力供給維持能力と再生可能エネルギー消費能力を高める。蓄電発電所の種別では、液体電流電池、フライホイール、圧縮空気エネルギー貯蔵、重力エネルギー貯蔵、二酸化炭素エネルギー貯蔵、液体空気エネルギー貯蔵、ナトリウムイオン電池、鉛炭素電池等、様々な技術を模索する。
EV充電ステーションについては、住宅及びオフィス街を指す「二地区」と、商業・工業・レクリエーションセンターを指す「三中心」、高速道路を軸に、公共充電網を整備。農村部での充電網整備にも着手する。EV車両、EV充電スタンド、EV充電ステーション、送電網を効率的に統合し、EV車両からの逆潮流も視野に入れ、EV充電のタイムシェアリング料金政策を研究・改善していく。EV充電やバッテリー交換の国際規格策定も主導していく。
デマンド・レスポンスに関しても、標準的な地域で最大電力消費負荷の5%以上を目標として設定。好条件の地域では、同10%程度にすることも促進する。
【参照ページ】国家发展改革委 国家能源局 国家数据局关于印发《加快构建新型电力系统行动方案(2024—2027年)》的通知
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