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【コスタリカ】政府、環境タクソノミー発行。UNEP FIとEUが支援。観光セクターにも言及

 コスタリカ政府は8月、コスタリカ・サステナブルファイナンス・タクソノミーを発行した。活用は当面任意だが、今後、金融当局はタクソノミーに沿った政策を打ち出していく考え。中南米では、すでに、メキシコ、コロンビア、パナマがタクソノミーを策定しており、コスタリカが4カ国目となった。

 今回のタクソノミー策定は、環境・エネルギー省(MINAE)、財務省の金融機関総局(SUGEF)、証券総局(SUGEVAL)、年金総局(SUPEN)、保険総局(SUGESE)がプロジェクトを監督。コスタリカ中央銀行(BCCR)を含む政府機関、金融機関、企業、NGO、アカデミア等180以上の組織から300人以上の専門家が各分野にテクニカル基準を策定した上で、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)のチームが全体調整役を務めた。活動資金は、UNEP FI、緑の気候基金(GCF)、EUユーロクリマ・プログラムからも得た。    同タクソノミーは、「電気、ガス、蒸気、水道」「建設」「輸送」「製造」「固形廃棄物及び二酸化炭素回収」「水の供給と処理」「IT・通信」「土地利用(農業・畜産業・林業)」の8つのセクターを対象。また、コスタリカの主要産業である観光業についても、付属文書として一般ガイドがまとめられた。

 タクソノミーの構造は、EU環境タクソノミーの概念を踏襲し、「気候変動緩和」「気候変動適応」「生態系と生物多様性の保全・再生」「サーキュラーエコノミーへの移行」「汚染防止・管理」「水資源・海洋生態系の持続可能な利用・保全」の6つの環境目的に加え、「土壌管理」を加えた。その上で、「7つの環境目的の1つ以上に貢献する」「それ以外の環境目的に大きな害がない(DNSH原則)」「最低限の社会的セーフガード」の3つを必須とした。最低限の社会的セーフガードでは、国際労働機関(ILO)の基本条約、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)、経済協力開発機構(OECD)多国籍企業行動指針、国際金融公社(IFC)パフォーマンス基準、コスタリカの労働、腐敗防止、環境、人権関連法への遵守を必須とした。

 各セクターの基準策定では、EU、中米、コロンビア、メキシコのタクソノミーと、気候債券イニシアチブ(CBI)の気候債券基準(CBS)が参照された。

 エネルギー分野では、原子力発電、水素専焼・混焼発電、アンモニア専焼・混焼発電、合成メタン、合成燃料は除外。水素に関しては、コスタリカ政府がグリーン水素戦略をすでに策定しており、グリーン水素に限定された。発電での炭素回収・利用・貯留(CCUS)も除外された。公共交通機関車両や自家用車では、新車についてはゼロエミッション車両のみが対象。

 観光業については、観光業のライフサイクルに応じて、各セクターの基準を適合していく。具体的には、輸送、建設、エネルギー、水供給・処理、土地利用、廃棄物処理・二酸化炭素回収等で適用する基準をマッピングした。

 今回策定したタクソノミーに関し、コスタリカ財務省は、サステナビリティに関する予算、税制、会計の分類プロセスや、同国が今後発行するグリーンボンドを調整するための重要な手段として活用していくことを決定。コスタリカ中央銀行も、低炭素な経済への移行における金融機関の役割を理解する責任を認識し、同タクソノミーを承認した。

【参照ページ】Taxonomía de Finanzas Sostenibles de Costa Rica

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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