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【国際】再生可能燃料生産プロジェクト、先進国から新興国へと分散。特にSAF需要。BNEF調査

 英エネルギーデータ大手ブルームバーグNEF(BNEF)は8月14日、再生可能ディーゼルや持続可能な航空燃料(SAF)等の再生可能燃料の生産計画の動向を発表した。先進国での大手企業による事業計画が中止となる一方、新興国でのプロジェクトが活発化してきており、市場環境が大きく転換していると伝えた。

 再生可能燃料は、石油を原料とする従来型の燃料を代替するバイオ資源を活用したものや合成燃料の総称。大きく分けて4つの分類がある。

  • ハイドロプロセシング:植物油や植物廃油、廃油を活用を精製して生産
  • Power-to-Liquid(PtL):電力(特に再生可能エネルギー電力)を用いて水や二酸化炭素などの原料を転換した合成燃料
  • Gas-to-Liquid(GtL):天然ガスの分子構造を組み替えて生成した液体燃料
  • Alcohol-to-Jet(AtJ);アルコール(エタノール)を触媒反応を通じて転換した合成燃料

 最近では、エネルギー大手のBPが6月、米国のチェリー・ポイント製油所とドイツのリンゲン工場で計画していたバイオ燃料生産プロジェクトを中止すると発表。7月にはシェルが、オランダのロッテルダムで計画していた再生可能燃料生産プラントの建設を、建設コストを理由に一時中断している。他にも、中止や延期になったプロジェクトがあり、BNEFによると、年間10億ガロン分の生産計画が一時停止または中止になっており、生産手法は、市場でも最も普及しているハイドプロセシング型が圧倒的に多い。

 一方、中国やブラジル等の新興国では、新たなプロジェクトが立ち上がっており、先進国集中から新興国へを含めた多地域へと分散傾向がみられる。合計では、年間20億ガロン分の生産計画があり、中止/一時停止のプロジェクトの生産量を大きく上回る。

 さらに、生産手法では、生産計画量では、主力のハイドプロセシングが圧倒的に多いものの、プロジェクト数単位では、ハイドプロセシングとPtLが同数程度にまで拮抗してきていることもわかった。PtLは、原料となるバイオマス資源の取り合いが発生しづらく、原料市況の影響を受けにくい。ハイドロプロセシングでは、再生可能ディーゼルとSAFを双方生産する傾向にあるのに対し、PtLやAtJではSAF専業生産が多く、SAF需要が高まっていることがうかがえる。

【参照ページ】Renewable Fuel Capacity Shifts Locations and Technologies

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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