
米環境NGO自然資源防衛協議会(NRDC)は8月19日、全米州に関し住宅売買時に洪水リスクの開示の法定義務化状況を調査した報告書を発表した。すでに28州で一定水準以上の義務化が実施されていることがわかった。調査は米リスクマネジメント大手ミリマンが受託した。
米国では近年、洪水リスクが高まっており、気候変動が関与しているとみられている。その中で、洪水リスクを適切に知らされずに住宅を購入した場合、購入後に洪水に見舞われるリスクが高く、適切な不動産情報開示の規制強化が重要となってきている。
今回の調査では、全米50州の不動産情報開示州法の状況を分析。レベルを5段階で評価した。そのうち最高位の「A」ランクとなった州は、ニューヨーク州、ニュージャージー州、テキサス州、オクラホマ州、ルイジアナ州、ミネソタ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州の8州。2番目の「B」ランクはテネシー州だった。
さらに3番目の「C」ランクを受けたのは、カリフォルニア州、ネバダ州、オレゴン州、ワシントン州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ネブラスカ州、コロラド州、アイオワ州、イリノイ州、インディアナ州、ミシガン州、オハイオ州、ケンタッキー州、ペンシルバニア州、バーモント州、メイン州、アラスカ州。Cまでが「適切」の評価と鳴っており、AからCまでの合計で28州だった。
NDRCによると、開示州法が制定されていない州でも、住宅の売主に情報開示を要請することで洪水リスクを把握する道があるという。具体的には、売主が全米洪水保険プログラム(NFIP)を通じて洪水保険に加入していれば、連邦緊急事態管理庁(FEMA)が持つ過去の洪水に関する記録を閲覧できるという。
今回の調査では、過去の洪水を経験している住宅は、将来に洪水を受けるリスクが高く、損害期待値は十数倍にもなるという調査結果も示されている。NDRCは今回、州政府に対し、開示州法の整備を急ぐよう伝えるとともに、連邦政府に対し、洪水記録に関する情報の市民アクセスの向上を図るべきと提唱した。
【参照ページ】How States Stack Up on Flood Disclosure
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