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【イギリス】高等法院、30年ぶりの原料炭新規開発の政府承認を撤回。GHG排出考慮が不十分

 英高等法院は9月13日、前保守党政権が英国で30年ぶりに承認した原料炭鉱の新規開発プロジェクトに関し、同プロジェクトを中止するよう命ずる判決を下した。被告側は控訴の是非を検討している。

 今回の事案は、ウエスト・カンブリア・マイニングが、イングランド地方北西部のカンブリア郡ホワイトヘブンで手掛ける地下深部からの石炭採掘に関するもの。規模は23haで、総工費は1億6,500万ポンド(約320億円)。開発期間は2年間で、2056年まで300万tの石炭採掘が予定されていた。同炭鉱で生産される原料炭は、80%がイングランド東海岸の輸出港に輸送され、大半は欧州へ輸出されるとみられていた。

 2022年12月、当時のマイケル・ゴーヴ・レベリングアップ・住宅・コミュニティ相は、同プロジェクトを承認。ゴーブ大臣は当時、採掘されるのは、一般炭ではなく原料炭であり、気候変動への影響は小さいとの見方を示していた。一方、英製鉄大手タタ・スチールはすでにタルボット港での高炉製鉄を廃止することを決定。またもう一つ英国内に残るスカンソープ製鉄所の高炉でも、運営企業の中国・敬業集団は、ウッドハウス炭鉱の原料炭は硫黄含有量が多いため使用しないと宣言。その結果、英国内での原料炭需要は大きく下がるとみられていた。

 英国では6月、サリー州ウィールドのホース・ヒルにある石油採掘プロジェクトの新規承認を巡り、最高裁判所が中止を命ずる判決を下している。判決理由として、石炭、石油、ガスの新規開発に関しては、下流サプライチェーンを含めて当該資源が引き起こす温室効果ガス排出量を考慮する必要があるが、計画承認に歳氏、十分な考慮が確認されなかったことを挙げていた。

 今回の判決は、6月の最高裁判所の判決後の初の化石燃料採掘プロジェクト裁判での判決となった。同裁判では、ホワイトヘブンでの新規石炭開発による温室効果ガス排出量が、開発業者の気候影響評価(気候アセスメント)には含まれていなかったことが明らかとなっていた。現労働党政権は、前政権の計画承認には瑕疵があったとの見方を伝えていたが、開発事業者のウエスト・カンブリア・マイニングは正当性を主張し、裁判が続けられていた。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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