
化学世界大手米ダウは9月17日、同社の財団「ダウ・カンパニー・ファウンデーション」を通じ、環境NGOダックス・アンリミテッドとの間で、北米全域の水と自然の生態系にプラスの影響を与えることを目的とした新たな複数年のパートナーシップを発表した。
ダックス・アンリミテッドは、1937年に活動を開始。かも目と生息地の湿地帯の保全団体としては世界最大。主に米国、カナダ、メキシコ在住の自然保護活動家やアウトドア愛好家が会員となっており、年間4,000回以上イベントを開催している。2023年には、単年で北米全体で100万エーカーの保全を達成していいる。
ダウは5月、2050年までに生態系50,000エーカーを保護するためにパートナーシップを構築し、特に水への依存度の大きい20生息地では、ウォーター・レジリエントを確保することを含めた生態系目標を発表。今回のパートナーシップは、同目標の達成に向けたアクションの一つ。
【参考】【アメリカ】ダウ、「水」「生態系」で中長期目標設定。TNFD。サプライヤー協働も(2024年5月26日)
両者は今回、初期プロジェクトとして3年間の活動概要を伝えた。まず、米ミシガン州最大の湿地帯複合体の一つ、シャワシー国立野生生物保護区の主要な土地の回復作業を実施。生物多様性の増加、水質の改善、洪水時の貯水能力の強化によるレジリエンスの向上を目指す。
次に、ヒューロン湖南西部に位置する同州のサギノー湾では、「ベイショア・バード・プロジェクト」として知られる沿岸湿地の回復活動を展開。周辺の農業地帯から栄養分や土砂を濾過し、より広大な湿地帯の形成を促進。水鳥や野生動物に広大な生息地を提供する。
3つ目は、北米の水鳥や、草原に依存する鳥類の主な繁殖地となっているカナダのアルバータ州にあるプレーリー・ポットホール地域で、保全活動を展開。これにより、近隣のエリス・バード・ファームの貴重な野生生物が大幅に拡大される予定。
4つ目は、持続可能な土地利用計画と管理における長期的な成功を支えるための一般公開ツールの開発を計画している。
両者の協力関係は70年以上前に始まっている。当時、ダックス・アンリミテッドのテキサス州支部と、近隣のダウ従業員との間で、協働がスタート。その後、数十年にわたり、地域での協力関係が継続されてきた。最近では、ルイジアナ州のキャメロン・プレーリーとラカシン国立野生生物保護区の間の約2,030エーカーの沿岸淡水湿地帯で、野生生物や水鳥の生息地、水質、屋外レクリエーションの回復活動も行ってきた。
【参照ページ】Dow and Ducks Unlimited announce expanded partnership to restore and conserve natural habitats
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