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【国際】CCAC、低中所得国メタン削減プログラム発表。農業含むNDCガイダンスも

 気候変動・大気汚染防止のマルチステークホルダー型国際パートナーシップ(CCAC)は9月24日、クリーン・エア・タスクフォース(CATF)と連携し、低・中所得国のエネルギーセクターからのメタン排出量削減を支援する化石燃料規制プログラム(FFRP)を発表した。

 エネルギーセクターでのメタン排出量では、低・中所得国が全体の3分の2を占める。今回のプログラムは、国連気候変動枠組条約第26回グラスゴー締約国会議(COP26)の場で米国とEUが協働で設立した「グローバル・メタン・プレッジ(Global Methane Pledge)」の目標達成に向け、低・中所得国での規制整備と大規模な投資増を狙う。

 支援内容は、CCACとCATFの専門家が、各国の規制やスキルのギャップの解消、メタン排出量の削減に向けたインフラの構築、合理的なプロジェクト承認プロセス設計等をサポートする。期間は2024年から2027年までの3年間。政府開発援助(ODA)対象となる20カ国を対象に支援する。資金は、CCACが運営するファンドから拠出する。

 国際エネルギー機関(IEA)等の調査では、石油・ガスセクターから排出されるメタンの4分の3以上、及び石炭から排出されるメタンの半分以上は、既存技術で低コストでの削減が可能。メタン削減の施策を推進することで、2050年までの気温上昇を0.1℃に抑えることができるという。

【参考】【国際】化石燃料からのメタン削減で2050年気温上昇を0.1℃抑制。IEA、UNEP、CCAC報告(2023年11月3日)

 また、CCACは10月11日、パリ協定に基づく2035年までの国別削減目標(NDC)にメタン削減アクションを含めるためのガイダンスも発表した。各国政府は、2025年11月までに2035年NDCを国連気候変動枠組条約事務局に提出することになっている。

 同ガイダンスは、エネルギー、農業、廃棄物セクターからのメタン排出量が多いと指摘。人為的なメタン排出量に占める割合は、エネルギーセクターで35%、農業セクターの家畜から32%、稲作から8%、廃棄物セクターから20%であり合計で90%になる。NDCには野心的かつ実行可能であり、透明性が高いという3つの要素が含まれた施策が必要だとし、ケーススタディと共に概説した。

 メタン削減に向けたファイナンスでは、2021年4月に、米国、EU、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、ノルウェーが、メタンファイナンスの規模拡大を目指す「メタン・ファイナンス・スプリント」を発足。COP28までに政府及び財団から2億米ドル以上動員する計画を発表しており、すでに10億米ドルを超える資金拠出が約束されている。

【参考】【国際】欧米とインドネシア、中・大型車で2030年までにZEV30%で合意。バイデン大統領の気候国際会議(2023年4月22日)

 メタン削減に関するファイナンス額は、2024年には過去最高の137億米ドル(約2兆円)に達したものの、2030年までに約3.5倍の年間480億米ドル(約7兆円)が必要になると試算されている。

 気候変動ファイナンス推進イニシアチブ「Climate Policy Initiative」の調査によると、メタンファイナンスが多い地域と排出量が多い地域にはギャップがある。世界のメタン排出量の13%ずつを占める中南米と南アジアでは、ファイナンスに占める割合が各々1.8%と1.3%しかない。同ガイダンスでは、削減ポテンシャルが高いセクターに資金を適切に配分する必要があると訴えている。

【参照ページ】New CCAC and CATF partnership to support 20 countries in cutting energy sector methane emissions, advancing goals of Global Methane Pledge 【参照ページ】Guidance on Including Methane in NDCs 【参照ページ】Landscape of Methane Abatement Finance 2023

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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