
国際的なボランタリーカーボンクレジット発行団体米Verraは10月14日、カーボンクレジット創出に関するアディショナリティ(追加性)要件に関し、基準となる標準ツール「VT0008 アディショナリティ評価」と「VT0009 ベースラインとアディショナリティ評価の組み合わせ」をリリースした。
【参考】【国際】Verra、カーボンクレジットでアディショナリティ新基準策定へ。ICVCM要請(2024年8月26日)
今回の新基準策定は、国際的なボランタリーカーボンクレジット基準策定ガバナンス機関ICVCMからの要請に基づくもの。Verraは、CDM(クリーン開発メカニズム)のメソドロジーに基づいて開発した再生可能エネルギーでのカーボンクレジット・メソドロジー8件をICVCMに申請し、CCPラベル取得を目指していたが、ICVCMはアディショナリティ要件に不備があるとし、申請を全てを却下。メソドロジー改訂後に再提出するよう求めていた。
今回のVT0008とVT0009は、投資分析、障壁分析、共通慣行分析を実施するための手順と要件を規定するもの。既存のクリーン開発メカニズム(CDM)のツール「TOOL01 アディショナリティ評価」、「TOOL02 ベースラインとアディショナリティ評価の組み合わせ」「TOOL24 コモンプラクティス」「TOOL27 投資分析」「障壁の客観的実証と評価のためのガイドライン」は廃止となる。
Verraは、今後数ヶ月で、今回開発したツールを採用したメソドロジーの改訂版を発表する予定。これによりICVCMからのCCPラベル取得を目指す。また既存の「VT0001 VCS農林業およびその他の土地利用(AFOLU)プロジェクト活動における追加性の実証および評価のためのツール」と「VT0002 IFMプロジェクト活動における追加性の実証および評価のためのツール」については存続するが、将来的にVT0008に統合される可能性もある。
また、小規模方法論を使用するプロジェクトは、アディショナリティに関するICVCMのCCP要件に合わせるため、「CDM TOOL21 小規模プロジェクト活動のアディショナリティの実証」「CDM TOOL19 小規模プロジェクト活動のアデョショナリティの実証」に代わって、今回のVCSツールを使用することも可能となる。
電力に関しては、「CDM TOOL05のベースライン、プロジェクト、電力消費からのリーク排出量と発電量のモニタリング」に代わるツールとして、「VT0010 電力消費に伴う排出量推計のためのツール」を今月末に発売する予定。「CDM TOOL07 電力システムの排出係数を計算するツールv7.0」の改訂も進められており、「VT0011 電力システム排出係数」として発行される予定。
【参照ページ】Verra Releases New VCS Additionality Tools
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