
米証券取引委員会(SEC)は2月11日、証券取引法第13条(d)及び(g)、ルール13D-G実質所有者報告に関する新たな解釈を発表。株式の大量保有報告書の提出ルールを変更した。パッシブ投資家が投資先企業とエンゲージメントすることを抑制する狙いがあるとみられる。
米国の大量保有報告書の提出に関するルールでは、機関投資家等の会社を支配する意思のないパッシブ投資家に対しては「スケジュール13G」が、アクティビストや経営権獲得を狙うアクティブ投資家に対しては「スケジュール13D」が適用される。スケジュール13Gは、保有比率が5%以上変動した場合に、簡易な報告書を取得から45日以内に提出すればいいのに対し、スケジュール13Dでは、保有比率が1%変動する度に詳細な報告書を取得から10日以内に提出しなければならない。
今回の新解釈では、「会社を支配する意思」の意味について、「株主が発行者の経営陣と具体的に関わり、発行者または発行者の資産の重要な量の売却、発行者のリストラクチャリング、発行者の指名以外の取締役指名者の選任を求めた場合」にはスケジュール13Dのみが認められるとした。
また「発行体に対して、期差取締役会の廃止、無投票取締役選挙における多数決基準への変更、ポイズンピル・プランの廃止、役員報酬慣行の変更、社会的、環境的、政治的な方針に関する特定の措置の実施を勧告し、その勧告を採用するよう発行体に圧力をかける手段として、発行体がその勧告を採用することを前提に、次回の取締役選任議案で発行体の1人以上の取締役候補者を支持することを明示的または黙示的に条件とする場合」と「特定のトピックに関する議決権行使方針と、そのようなトピックに関して発行体が株主の期待にどのように応えられていないかについて経営陣と議論し、経営陣に圧力をかけるために、そのような議論の中で、経営陣が株主の期待に沿うように変更しない限り、次回の取締役選任議案で発行体の1人以上の取締役候補を支持しないことを表明または示唆する場合」にも。スケジュール13Dのみが認められるとした。
今回の新解釈は、投資先企業とのエンゲージメントを行う運用会社に大きな影響を与え、大量保有報告書の提出オペレーションを見直しを余儀なくするものとなっている。報道によると、ブラックロックは、エンゲージメントの初期段階ではスケジュール13Gを維持しつつも、本格的なエンゲージメントとなった場合にはスケジュール13Dを採用する考え。
【参照ページ】Exchange Act Sections 13(d) and 13(g) and Regulation 13D-G Beneficial Ownership Reporting
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