
国連責任投資原則(PRI)は4月9日、2023年から検討してきた「プログレッション・パスウェイ」プロジェクトの中間成果として、機関投資家向けの責任投資「パスウェイ」を発表した。署名機関は2027年から年次報告でパスウェイに関する報告が始まる見通し。
【参考】【国際】PRI、プログレッション・パスウェイ報告を2027年にも任意開始へ。今後詳細調整(2024年10月9日)
プログレッション・パスウェイは、ESG投資手法の進化を指す概念。PRIは、機関投資家がESG投資を成熟させるためには長い時間を要すると考えており、幅広い署名を募りつつも、発展的に成熟度を向上させていくスタイルを採用しようとしている。プログレッション・パスウェイは、署名機関の成熟度を自主的に測るとともに、次のステップを示すことで、発展を促す狙いがある。
今回の発表したパスウェイは、以前からの検討してきたとおり3つの「道」が示された。
- ジャーニーA:財務的に重要なサステナビリティ関連のリスクと機会を、投資とスチュワードシップの意思決定に組み込み、競争力のあるリスク調整後リターンを追求する。
- ジャーニーB:財務的に重要なサステナビリティ関連のリスクと機会を、リターンに影響を与える財務的に重要なシステムレベルのサステナビリティ関連リスクの要因に対処することを含め、投資とスチュワードシップの意思決定に組み込み、競争力のあるリスク調整後リターンを追求する。
- ジャーニーC:財務的に重要なサステナビリティ関連のリスクと機会を、投資とスチュワードシップの意思決定に組み込むとともに、ポジティブで測定可能なインパクトを追求しつつ、目標としたリスク調整後リターンを追求する。
概観では、ジャーニーAが投資アルファの追求、ジャーニーBが投資アルファとベータの双方の追求、ジャーニーCがインパクトを同等に重視した投資手法といえる。
検討過程では、各ジャーニーにシンボリックな名称をつけることも検討されたが、不要な誤解や議論を巻き起こすことも懸念されていたため見送られた。また、各ジャーニーにレベルを設定した到達階層を設定する案もあったが、こちらも見送られた。
現時点で、署名機関のパスウェイ活用は任意とし、署名要件とはしない。活用する署名機関は、1つまたは複数のジャーニーを選択することができる。また、各自のESG投資アプローチに最も関連するリソースを特定するために、パスウェイを通じて独自のルートを見つけることも可能。また、パスウェイの設定は、法人単位、事業単位、商品単位等で柔軟に設定可能。
署名機関の年次報告提出においては、パスウェイに関連した設問が、簡素化された形で2025年から盛り込まれており、署名機関からのフォードバックを収集する。2026年の報告ではさらに設問が強化される。PRIは2027年からパスウェイに関する報告制度の本格導入を検討している。
パスウェイの完成版は、初版が11月に発表される。パスウェイは、アセットオーナーと運用会社を念頭に設計されているが、サービスプロバイダーの署名機関も活用が可能。また非署名機関に対しても文書やサービスの一部を利用可能にする予定だが、現時点では詳細は未定。
【参照ページ】Pathways: A new offering from the PRI
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