
アメリカ大学協会は4月22日、第2次トランプ政権に対し、政府による高等教育機関への過度な介入を非難する共同声明を発表した。200大学以上が署名。さらに、4月23日時点で学長の他、学部長等も含め363人が署名している。追加署名も募っている。
署名したのは、ハーバード大学、イェール大学、プリンストン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ブラウン大学、ペンシルベニア大学、マサチューセッツ工科大学、デューク大学、タフツ大学、カリフォルニア大学バークレー校、ワシントン大学、ニューヨーク市立大学、豊田工業大学シカゴ校等。
同声明では、連邦政府が、大学運営を正当な監視にすることには賛同。一方、効果的で公正な財政運営も求めつつ、公的研究費の強制的な使用には拒否の姿勢を示した。特に大学での学問の自由や教育の自由、入学生を選ぶ権利の確保を強く求めた。
今回の背景には、米教育省、米国土安全保護省、一般調達庁(GSA)が4月11日、ハーバード大学に対する要求書を発出し、従わなければ同大学への補助金22億米ドルを打ち切ると通知したことがある。同要求書では、入学選考で、人種、肌の色、国籍等に基づく優遇措置を全廃し、実力主義のみに基づく選考を徹底することや、反ユダヤ主義的な活動を行った学生団体(ハーバード大学パレスチナ連帯委員会、ハーバード大学大学院生卒業生パレスチナ人4人、法学部生パレスチナ人4人、パレスチナ正義のための学生、全国弁護士組合)への支援と承認を打ち切り、及び当該学生団体の役員と活動メンバーの強制退学を決定することを通達。これに対し、ハーバード大学は要求を拒絶する意思を示し、連邦地方裁判所に提訴すると発表している。
また米国土安全保障長官は4月16日、ハーバード大学に対する総額270万ドル以上の国土安全保障省(DHS)補助金2件の取消を発表。同長官はまた、2025年4月30日までにハーバード大学の留学ビザ保持者の違法かつ暴力的な活動に関する詳細な記録を提出することを要求。従わなければ、学生交流訪問者プログラム(SEVP)の認定を即座に失うと通告している。SEVP認定を失うと、留学生の受入ができなくなる。
同声明では、学問的根拠に基づき、誰を入学させ、何を、どのように、誰に享受するかを決定することは、本質的な大学側の自由と主張。真理を追求するため、教員、学生、職員が、報復や検閲、国外追放を恐れることなく、あらゆる視点から自由にアイデアや意見を交換できる、開かれた探求の中心地としての役割を果たすというコミットメントを共同で宣言した。
また同声明では、大学の価値として、機会や流動性の原動力であり、地域や地域社会における経済的・文化的活力に貢献する中核機関であり、人材輩出期間であり、学問的探求を育み必要なサービスを提供する役割を担っていると強調。学問の自由が奪われれば、米国は繁栄できなくなるとの意見を述べた。
これに対し、米トランプ大統領は4月23日、米国の高等教育・研究機関に流れる海外資金に関する透明性要件を強化する大統領令に署名。大学への締付を強化する動きに出た。海外から米国の大学に拠出されている資金について開示を義務付ける政策を発動した。同大統領令によると、海外から米国大学への資金フローは、過去数十年間で600億米ドル(約8.5兆円)。毎年、海外からの資金を自己申告しているのは、米国の大学約6,000校のうち約300校のみという。
【参照ページ】A Call for Constructive Engagement
【参照ページ】The Promise of American Higher Education
【参照ページ】Letter
【参照ページ】Secretary Noem Terminates $2.7 Million in DHS Grants; Orders Harvard to Prove Compliance with Foreign Student Requirements
【参照ページ】Fact Sheet: President Donald J. Trump Demands Transparency Regarding Foreign Influence at American Universities
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