
米連邦上院は7月1日、大型減税「One Big Beautiful」法案を、賛成51(そのうち一人は上院議長を務めるバンス副大統領)、反対50の賛成多数で可決した。一方、先んじて5月22日に可決されている下院案から内容を修正しているため、修正版が再び連邦下院に送られ、連邦下院でも7月3日に賛成218、反対214の僅差で可決した。トランプ大統領は7月4日の独立記念日に署名すると事前に宣言しており、同法が成立する。
【参考】【アメリカ】ホワイトハウス、大型減税「One, Big, Beautiful」法案の成立に躍起。反対根強く(2025年5月21日)
最終可決された法案では、まず、2017年の第1期トランプ政権時代の減税措置をほぼ恒久化。連邦所得税の標準控除を増額しつつ、税率を15%から12%へと引き下げる。また、チップや残業による所得は非課税とする。さらに、州・地方税(SALT)控除の上限も一時的に4万米ドルに引き上げる。子供税額控除も2,500米ドルに設定し、以降は2,200米ドルに引き下げる。一方、国元への送金に関しても3.5%を課税する。
注目されていたインフレ抑制法(IRA)に基づくクリーンエネルギー税控除については、同法の施行日から1年以内に建設開始もしくは2027年末までに使用開始の場合には、税控除が適用される。一方、建設開始が2026年以降の場合に40%減額、2027年以降の場合には80%減額等の減額措置が設定され、一部廃止されたものもある。これに関しては、下院は即刻廃止の内容を当初案可決しており、上院で内容が緩和修正された。
さらに、連邦政府管轄地を活用する再生可能エネルギー事業者に対しては、土地の面積に応じた費用「acreage rent」と、設備容量に基づく費用「capacity fee」が徴収される。また、当初、中国製部品を用いた大型の再生可能エネルギー設備に対して数%の税(excise tax)を課す案も盛り込まれていたが、上院審議の最終段階で削除された。
歳出については、債務上限を4兆米ドルから5兆米ドル引き上げた上で、国防予算を1,500億米ドル増額。また州・国境対策に壁建設等の700億米ドルの予算も計上している。AI規制に関しては、10年間州法によるAI規制を制限する内容も盛り込んだ。
一方の歳出削減では、低所得者向けの公的医療保険メディケイド及びSNAP(フードスタンプ)の加入要件を厳格化。これにより数百万人がメディケイドの加入資格を喪失すると見込まれる。またメディケイド予算を2026年から一律4%削減することで、総額約5,000億米ドル超を削減する。
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