
国際的なボランタリーカーボンクレジット発行団体米ゴールド・スタンダードは7月9日、主に発展途上国を対象とした電力アクセスや水・衛生(WASH)に関連した新たなカーボンクレジット方法論(メソドロジー)を発行した。方法論のパリ協定との整合性を向上させた。
電力アクセスでは、「太陽光発電による普遍的な照明の実現(PULSE)」方法論を発行。オフグリッド地域や電力供給が不安定な地域において、灯油やディーゼル、ろうそく、非効率な懐中電灯といった化石燃料に依存する照明を、太陽光発電式LED照明に置き換えることで、カーボンクレジットを創出できる。
国際エネルギー機関(IEA)によると、世界中で依然として6億5,500万人が電力を利用できず、その多くは、主にブラックカーボンからなる高濃度の粒子状物質を発生させる汚染を伴う燃料ベースの照明に依存している。
PULSEは「需要抑制アプローチ」を採用。過去の貧困層の消費データに依存せず、1日当たり1,000ルーメン時の「最低サービスレベル」をベースラインとして設定している。また、デジタルMRVシステムを用いた100%の資産調査を義務付け、すべてのユニットを追跡して二重計上を防止するとともに、クレジット付与のベースラインをホスト国のネットゼロ達成経路と整合させるために「下方調整係数(DAF)」を適用している。これに伴い、以前の「AMS-III.AR」方法論は廃止となる。
WASHアクセスでは、「安全な飲料水供給(SDWS)」方法論第2版を発行。非再生可能なバイオマスや化石燃料を用いた煮沸を行う温室効果ガス排出量の多い従来慣行をベースラインとし、持続可能で低排出またはゼロ排出の飲料水供給ソリューションに置き換えることで、カーボンクレジットを創出できる。
第2版では、従来の単一方程式によるベースラインに代わり、年齢別の飲料水使用量上限とDAF(排出量調整係数)を適用する5段階のアプローチを採用。これにより、クレジット付与をホスト国のネットゼロ達成軌道と整合させるとともに、漏出の積極的なモニタリングを義務付ける。隣接地域でのバイオマスや化石燃料の使用にシフトしていないかや、インフラの設置が意図しない排出を引き起こしていないか等も審査される。IoTセンサーや携帯電話回線を利用した水流量追跡機能を活用したデジタルMRVの活用も可。
世界保健機関(WHO)によると、世界中で依然として21億人が安全に管理された飲料水にアクセスできていない。ゴールド・スタンダードは、検証済みの364件の認定水プロジェクトを擁しており、2025年には15億米ドル以上のコベネフィットを生み出している。
【参照ページ】Gold Standard publishes two methodologies to channel climate finance towards underserved communities
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