
KPMGコンサルティングは7月30日、世界の製造業の経営幹部および部門リーダー258人を対象に、AI活用や先端テクノロジー投資の成果、データ活用やサイバーセキュリティの課題について調査した報告書を発表した。
製造業では、先端テクノロジーへの投資が加速しており、上級管理職の87%が将来の競争優位性につながると考えており、実際に、80%の企業が価値向上を実感している。特に、AIやインテリジェントテクノロジーがもたらす効果は大きく、49%が自社の実現したデジタル価値全体の31%から40%を占める「顕著な財務的成果」を上げていると回答した。
回答者の76%が5,000万米ドル(約80億円)以上の投資を実施していると回答しており、全セクター平均の72%を上回っている。また、上級管理職の49%が、具体的なビジネス価値を創出するAIのユースケースを積極的に導入していると回答。全セクター平均の28%を大きく上回っており、前年の42%からも増加している。
主な活用領域は、AIを活用した予測型品質管理が52%で最多となり、ダウンタイムを削減する高度データ分析が40%、製品設計やカスタマイズのための生成AIが38%で続いている。AIを実際の製造プロセスそのものに組み込むことは、現時点では遅れいている。これは問題が発生した場合にコスト増加や品質低下、評判の面で損失を被る可能性があるためだとした。
AI活用のさらなる拡大に向けては、人材とデータの品質が大きな課題となっていると指摘。全体の89%が「AIエージェントの活用能力」を今後重要なスキルとして認識している一方で、34%がシステム導入に伴って一部の従業員が組織から取り残されるのではないかという懸念を示している。
(出所)KPMG
また、83%が強固なAIデータ基盤を構築していると回答したものの、76%が今後のAI活用におけるリスクとして「信頼性の低いデータ」を挙げた。先端テクノロジーの効果を最大化するためには、良質なデータの収集を継続しつつ、適切なデータガバナンスを構築し、研修やアップスキリングを通じて従業員の抵抗感を払拭するチェンジマネジメントが必要不可欠だとした。
地政学リスクやサイバー脅威の高まりを背景に、オペレーショナルレジリエンスの強化が重要課題にもなっている。調査対象の48%が今後1年間でサイバー防御への投資拡大を予定しており、サイバーセキュリティ強化は業務効率化に次ぐ主要な位置づけとして認識されている。
【参照ページ】KPMGグローバルテクノロジーレポート2026:製造セクター
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