
経済協力開発機構(OECD)は5月3日、2024年度の閣僚理事会を開催し、AI原則を改訂した。誤情報・偽情報への対処や、環境サステナビリティ、ライフサイクル全体を通じて責任ある事業活動等を盛り込んだ。
OECDは2019年にAI原則を採択。その後、生成AIの登場による新たな課題に対応するため、AI原則の改訂作業に入っていた。OECD AI Policy Observatoryによると、生成AIスタートアップ企業へのベンチャーキャピタル投資は9倍に増加。AIスキルの需要も130%急増し、AIを利用する大企業の割合はOECD平均で約2倍、中小企業でも4倍以上になっているという。
今回の改訂では、まず、AIシステムのライフサイクルを通じ、表現の自由や、適用される国際法によって保護されるその他の権利や自由を尊重しつつ、AIによって増幅される誤情報や偽情報に対処することを盛り込んだ。その目的のために、AIの関係者は、意図された目的以外の使用、意図的な誤用、意図しない誤用から生じるリスクに対処することを含め、文脈に適した方法で、かつ、技術の現状に合致した形で、人的機関の能力や監視等のメカニズムやセーフガードを実施すべきとした。
また、AIシステムが不当な危害をもたらす危険性がある場合又は望ましくない挙動を示す場合には、必要に応じ、安全に無効化、修復、廃止できることを確保するための強固なメカニズムとセーフガードを設けるべきとした。
次に、様々なAI関係者、AIナレッジやAIリソースの供給者、AIシステムの利用者、その他のステークホルダー間の協力を通じ、AIシステムに関連するリスクに対処するための責任ある事業行動を採用すべきとした。
さらに、環境サステナビリティを追求することにも明示的に言及した。これには、AIを通じて環境サステナビリティのイネイブラーになることと、AIによる環境サステナビリティ悪化を防ぐことの双方が含まれる。
透明性と責任ある情報開示を構成するAIシステムに関する情報の明確化や、AIに関する相互運用可能なガバナンスと政策環境を促進するために各国・地域が協力する必要性についても強調した。
OECDは今回、各国政府に改訂版AI原則の実践を普及させるよう勧告。同時に、直接AI関係者に対しても遵守を呼びかけた。さらにOECDでも、デジタル政策委員会のAIガバナンス作業部会を通じ、実践ガイダンスの策定、マルチステークホルダーとの学際的対話、エビデンスに基づくAI政策のための測定枠組みの発展等を進める。OECDは今後5年以内に、同原則の有効性をレビューするとともに、その後も少なくとも10年ごとに理事会に状況を報告することも決めた。
【参照ページ】OECD updates AI Principles to stay abreast of rapid technological developments
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