
米行政管理予算局(OMB)は4月7日、連邦政府機関によるAIの利用と連邦調達に関する2つの方針を改訂した。トランプ大統領が1月23日に署名した大統領令に基づく措置の一環で、前バイデン政権の方針を大幅に変更した。
【参考】【アメリカ】大統領府、AIアクションプランでパブコメ募集。政策立案のため幅広く(2025年2月27日)
今回の改訂では、AIにおけるリスク回避より、イノベーションに優先順位を置き、米国のAI競争力を高めることを主目的とする。AIを活用することで、行政の効率性も上げる。
具体的には、OMB方針M-25-21の改訂では、米国人のプライバシー、市民権、市民的自由を保護しながら、AIイノベーションの導入に必要なガイダンスを提供。「影響度の高いAI」について統一した基準を導入し、「権利や安全に法的、重大、拘束的、もしくは顕著な影響を及ぼす決定や行動を伴うもの」と定義。具体的には、20項目を例示した。
- 重要なインフラや政府施設、緊急サービス、構造物内の防火・生命安全システム、食品安全メカニズム、交通管制システム、その他物理的輸送を制御するシステムの安全上重要な機能
- 人間に重大な傷害を与える可能性のあるロボット、ロボット付属品、乗物(陸、海、空、地下を問わず)、工業設備
- 人間に重大な傷害を与える可能性のあるリアル世界で、攻撃または積極的防衛のための動的または非動的な措置の使用
- 有害化学物質または生物物質の輸送、安全性、設計、開発、使用
- 故障した場合に安全性に重大なリスクをもたらす機器、システム、公共インフラの設計、建設、試験
- 医療機器の医療関連機能、患者診断、リスク評価、治療、公的保険におけるケアの配分、医療保険コストと保険引受の管理等
- 政府施設への出入館の管理、セキュリティ
- 制裁、貿易制限、輸出・投資・海運に関するその他の規制の裁定または執行
- 保護されている言論範囲の遮断、除去、隠蔽、制限
- 司法での個人に関するリスク評価の作成、犯罪容疑者の特定、犯罪予測、公共空間における非政府車両の経時的追跡、生体認証の適用(虹彩、顔、指紋、ま歩行の照合等)、遺伝子情報に基づく顔の復元、ソーシャルメディアの監視、デジタル・フォレンジック技術の適用、サイバー侵入の使用、物理的な位置監視または追跡、武器または暴力行為の検出、または再犯、量刑、仮釈放、監視付釈放、保護観察、保釈、公判前釈放、または公判前勾留に関連する決定
- 移民、亡命、拘禁、渡航許可等の米国または米国領土への一時的または永続的な入国を求める人に関連するリスク評価の準備または裁定
- 公共アクセス可能な空間における一対多の識別のためのバイオメトリクス識別の使用
- ローンや公営住宅へのアクセスなど、連邦政府の重要なサービス、プロセス、給付の申請や裁定を行う能力、継続的な給付の継続資格の決定、給付のためのサービスにアクセスするためのITシステムへの生体認証やその他の手段(署名照合等)を通じたアクセスの管理、政府サービスの不正利用や不正利用未遂の検出、政府給付に関する罰則の裁定
- 雇用前審査、合理的配慮、給与・昇進、業績管理、採用・解雇、懲戒処分の勧告を含む連邦政府の雇用条件の決定、新業務・チームへの従業員の異動
- 回答が法的拘束力を持つ場合、または機関の決定や行動に直接情報を与える対話の場合の翻訳(外国語翻訳や視聴覚翻訳等)
また同方針の改訂では、各連邦政府機関のチーフAIオフィサーは、官僚的な監督者ではなく、変革の主体者、AIの提唱者として機能するように再定義された。リスクの低いAIについては全省的なAIイノベーション・採用を促進し、影響の大きいAIについてはリスクを軽減し、AIへの投資と支出について助言する責務を負う。また、各連邦政府機関はAI導入の成熟度評価を作成し、進捗状況とニーズをより適切に把握することも命じられた。
続いて、OMB方針M-25-22の改訂では、各連邦政府機関が最先端のAIを迅速、競争的、責任を持って取得する方法のガイダンスを提供。競争力のある米国のAI市場を支援し、米国のAIリーダーシップ、人類の繁栄、経済競争力、国家安全保障を支援するために、米国のAIシステムとサービスを最大限に活用することを明記。また、プライバシーを保護し、政府データの合法的な使用を確保しつつ、官僚主義的な報告を廃止することも決めた。
【参照ページ】Fact Sheet: Eliminating Barriers for Federal Artificial Intelligence Use and Procurement
【参照ページ】White House Releases New Policies on Federal Agency AI Use and Procurement
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