
EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は6月25日、EUの銀行を対象とした、経営危機時の対応策を強化する「危機管理・預金保険(CMDI)枠組」の改正案について政治的合意に達した。中小銀行もセーフティネット基金にアクセスできるようにする。今後、双方での立法手続に入る。
CMDI枠組は、2008年のリーマンショックの後に整備。銀行破綻時に金融システムの安定と預金者保護を両立しながら、公的資金による救済を回避することを目指してきた。しかし、中小銀行に関しては、預金の依存度が高く、外部からの資金調達が困難なところも多く、経営危機時に自己資本と転換可能負債(MREL)で再建を図ることが難しい状況が判明していた。
そのため、今回の改正案では、中小銀行にもセーフティネット基金へのアクセスを確保することが主な内容となっている。具体的には、国家破綻処理基金と、欧州銀行同盟における単一破綻処理基金(SRF)にアクセスできるようになる。
一方、モラルハザードを避けるため、基金による支援には、厳格な条件を課す。また、「公共の利益」があると判断された場合にのみ基金を活用できることも明確にした。同改正案では、公共の利益の判断基準を規定しており、特に中小銀行が地域経済に与える影響を、国単位だけでなく地域単位でも評価することが定められている。預金保険制度(DGS)の資金利用を認める「最少コストテスト」の共通ルールも盛り込まれ、対象銀行が保有する保護預金額が支援の上限となる。預金者の債権順位は現行の優先順位を維持し、預金保護対象外の家計・中小企業向け預金は次順位となることで、信頼維持と事業継続を両立させる。
【参照ページ】Bank resolution: Council and Parliament strike deal to strengthen the EU crisis management framework
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